お前の妄想にいつも救われている。――世界を支えている“柱”を観測する学者・モノカエ博士と、彼の身の回りを世話する従者・ジタル。他人の心が読めてしまう“サトリ”である博士は、人を避けて孤島に住んでいたが、まっすぐで裏表のないジタルだけは唯一気の許せる相手だった。ただし、ジタルの恋慕からくる妄想を除けば…。そんなある日、柱の計測値に異変を感じた博士は、ジタルとともに旅に出るが――…。いもあん新作!
「人」に抱かれて、そんなに気持ちいいか。――人間に憑いた妖(あやかし)に、己の体をなげ出しては肉欲に溺れ、共喰いをする。そうして自分と同じ妖怪を喰らいながら長年生きながらえてきた存在。彼は、神の座に誘われる程の力を持ちながらも、地上で人間をたぶらかしては快楽を享受していた。しかし、自由気ままに振る舞う彼を囚えようと、遥か天上から見つめる姿が…。人と妖と神、種族を超えた想いが交錯する――。
「木守の木」の元へ、空から落ちてきた傷だらけの「鼠」。子守りを務める「鳥」は、瀕死の彼を献身的に手当てする。種類も違うのになぜ…?不思議に思った「鼠」は、好奇心から「鳥」の傷に触れてしまい…。ちょっとガサツで優しい鼠と、過去に囚われたままの鳥。種類も生きてきた世界も違う二人が出会い、見つける新しい道とは――。『鳥を愛した獣』『親鳥とひな鳥』に続く、木守りシリーズ完結作。
「獣」に襲われ家族を亡くし、「鳥」はある木の元へ逃げ延びた。木守りと子守りを務めながら、ひとり生きる「鳥」は、親をなくした「ひな鳥」を育てる決意をする。息子の成長を見守る「鳥」を、父と慕う「ひな鳥」。しかし、成長するにつれ「ひな鳥」の気持ちにある感情が芽生えて…。『鳥を愛した獣』と同じ世界で、新たな主人公の物語の幕が開く。優しい眼差しで世界を紡ぐ、いもあんワールドをご堪能ください。
罪を犯した人間が、一人だけで閉じ込められている囚人の島。そこへ異世界から「迷い人」が現れた。長い長い時間を一人で過ごし、とうに孤独に慣れた囚人。けれど、自分以外の誰かと言葉を交わし、同じ時間を過ごすうちに、次第に囚人の心にある変化が生まれてゆく。――いつか「迷い人」は異世界に戻る日がくる。それを知りながら、傍にいたいと願うが…。大好評『雨降らしの森』と同じ“迷い人”シリーズ、ついに配信開始!
時々立ち寄るコンビニで見かける、何の変哲もないフツーのおじさん。でもその正体は、なんと妖精…!?そして、どう見ても妖精には見えない、この奇妙なおじさんが気になって仕方のない俺。この気持ちは、単なる好奇心か?それとも…?ファンタジックな妖精のおじさんとの出会いが、俺の日常を変えていく…!?ほのぼのとしつつも、ちょっと不思議な2人の関係を、ぜひお楽しみください!
木に守られながら、子守をして暮らす「鳥」の元に、瀕死の「獣」が逃げこんだ。自分を喰う存在の獣を、鳥は恐れることなく自然と受け入れる。やがて警戒していた獣の心に、少しずつ変化がおきてゆく。肉食と草食。本来、違う世界に生きる二人のはずだった。「私を喰え」と叫ぶ鳥に、獣が伝える想いとは――…。ちょっと不思議で、ほっと幸せな世界を、「俺の恋したファンタジーおじさん」で人気を博す作者が、優しい筆致で描く。
世界を支える柱が傷み出した――。己の体を使って柱を治す「修柱師」のチユは、二度と戻れない治療の旅に出ることに。道行きのなぐさめとして「音楽」を願うと、現れたのは巷で人気の若い楽者・イシ。戸惑いながらも出立すると、「あなたにずっと恋い焦がれていた」とまっすぐな気持ちを向けられて…。暗闇の旅路に優しく響くイシの音楽は、2人をどこへ導くのか――。いもあんの描く新たなファンタジーBL開幕!
サハは、異世界から現れ、また元の世界に戻った「迷い人」を母に持つ子供。数十年後、成長し「草木の司」として狂い森の町に住む彼のもとへ、異世界からの「迷い人」・大地が現れる。サハは世話人として、彼の面倒を見ることに。淡々としたサハの暮らしぶりや、不慣れな習慣にも自然となじんでゆく大地。けれど、彼らの住む町に崩壊の危機が迫り…。大好評『雨降らしの森』と同じ“迷い人”シリーズ、ついに配信開始!
ある大雨の日、草木の司であるコルの前に、異世界から「迷い人」がやって来た。サラリーマン風の彼、榊が元の世界に帰るまで、コルは世話役として彼と共に暮らすことに。最初は榊が、早くこの世界に慣れるようにと手助けしていたコルだが、彼の事を知っていく内にどんどん榊を意識し始める。そして、榊も…。いつかは離れ離れになる二人の切ない想い、そして恋の行方は…!?