【ebookjapan限定★限定配布されたペーパーの漫画付!!】ある山脈の奥深く、狼と共に生きる民族がいる。彼らは、稀に生まれる白い髪を持つ子供を「白鹿」と呼んだ。王族に嫁ぐさだめを持つ「白鹿」として生まれたサラは、幼い頃から想いを寄せる、王の末息子・アラクシと番(つがい)になる。しかし明るく振る舞う一方で、アラクシが好きなのはサラの双子の兄・ナラだということも知っていた。「好きな人の隣にいられるなら、たとえ身代わりでもいい」そう思っていたはずのサラだったが――…。たったひとりの番を生涯愛しぬく、彼らの宿命と恋の物語。
むかし、狼と白鹿が恋に落ち、番になった。その血を色濃く受け継ぐ白い髪の子供は「白鹿」と呼ばれ、代々王族の番となる宿命だった――。王都を守る兵士のイルウェスはある村で幽閉されていた金色の瞳の白鹿を助け出す。やせ細り言葉も話せない白鹿に『アルタ(金色)』と名付け、二人は少しずつ心を通わせていく。美しいもので溢れる外の世界に目を輝かせる無邪気なアルタを「守ってやりたい」と願うイルウェス。だが、アルタは掟により王族に嫁ぐ運命で――…。独りの兵士と純粋な白鹿の身分違いの恋。