型破りで豪放、だが民思いの聖帝・慶雅は桔丹との戦場近い邑に赴く。そこに呈鶻の王子・涼鸞が、忍び込んできた。唐突に同盟を迫られ驚くが、命に代えてもという強い光を宿す瞳が慶雅を射た。覚悟が本物かを試す意味で褥に押し倒してみる。白絹の肌に愛咬を刻み、下肢に己の楔を穿った。屈辱の悦楽に悶え塗れる涼鸞。それでも俯かない彼は気高くも美しい。慶雅は何とかしてやりたく思うが、聖帝とて勝手はできない。そこで一計を案じ、涼鸞を后妃のように着飾らせたが…!?
熱砂の国サラーラ。遺跡発掘隊員の志岐は盗賊に襲われ、媚薬に侵されてしまう。最奥を穿つ昂りを求め身悶える志岐を助けてくれたのは、国を支配する王族・サイードだった。身体がとろけるような悦楽を与えてくれた彼に心惹かれる志岐。しかし身分の差が気になり、なかなか素直になれない。「監禁して、ずっと愛でていたい」独占欲も露わなサイードに攫われ、連れてこられた豪奢な館で甘い囁きと濃密な愛撫に溺れていき……?ゴージャス・ラブ。
真珠、銀珠、金珠──三つ揃えば一つだけ何でも願いが叶うという伝説の秘宝。病に伏した甥のため、雅直はそれを求めて旅に出た。友はたった一人、山吹という名の式神だけ。あまりに危険で無謀な旅。さらに雅直はその途中とんでもなく不遜で失礼な海賊男に出会い、「男なのはわかっているんだがな。惚れたかも」命だけでなく貞操の危機にも見舞われる羽目に! あげく男の狙いも神珠のようで……!?──恋の嵐に揺れ惑う、至高のお宝争奪戦!!
千年前、知らず人魚の肉を口にし、老いぬまま独りさすらう運命に囚われた香坂芳典。癒しの力を宿したせいで幾度も狙われ、窮地に陥りながらも、彼はできる限り救いの手を差し伸べ、まっとうに生きてきた。だが、対面した『その患者』が、芳典を驚愕させ、善悪の判断を狂わせる。神原柾木──彼は、芳典が今もなお愛する初恋相手に瓜二つにもかかわらず、芳典を徹底的に侮蔑し、何より生きる意志がなかった。反発した芳典は、柾木と無理やり繋がり、その命を助けてしまうが……。──柾木は生まれ変わりなのか。過度の官能が織り成す、悠久の恋物語!
一族が棲む山の開発計画を阻止すべく、街にやってきた化け狸の颯太。運よく芸能スカウトマンの小野寺と出会い、山を買い取るため、仲間を集めてアイドルデビューを目指すことになったものの、本格的に活動するにはある大きな問題があった。それは「人に化けられる時間が短い」ということ。解決方法はただ一つ、人間から強力な精気を補給することのみ。──颯太は決断し、叫んだ。「小野寺さん、おれとして!」正体は皆ケモノ☆ 破天荒ショービズラブ?
「わたしを抱きたいのなら、構いませんよ」全世界に億単位の信徒を擁する聖教会。その教皇秘書を務める黎枝は、蠱惑的にそう囁いた。告げた相手は、正義の枢機卿、宗麟。彼らは長年の天敵だった──数瞬前までは。「性欲、解消…?」 まさかの想いを告白してきた宗麟に、黎枝は身体だけの関係を提案した。だめならほかを探す、と。──恋情を解せぬ黎枝に宗麟の愛は届くのか? 聖職者たちの禁断の恋を描いた、シリーズ第2弾!!
自分はゲイなのか──。悩んだ末、大学受験に失敗してしまった四條健。代議士の父と弁護士の母に冷たく叱責され、衝動的に街へと飛び出した健は、そこである一組の親子に出会い、甘く淫らに慰められた。父の知り合いだという紳士の名は後藤征爾。そして、その息子、耀介。「性癖は個性だ」と征爾に励まされ、傷ついていた健は坂道を転げ落ちるように彼らに溺れていった。──それが、まさか、老獪な罠だとは夢にも思わずに。無垢な魂が喰らい尽くされる、背徳のセンシュアルサスペンス。
切れ味鋭い介護士の博巳は、伝説の元ヤンキー。ある日電車で鼻血を出したエグゼクティブを助け……しかしそんなことは綺麗さっぱり忘れた頃、博巳はその男と望まぬ再会を果たした。引っ越し先が、ダブルブッキングだったのである! 「豪邸があんだろ。帰れ」「それはできない。自立の第一歩なのだ」双方譲らず導き出された結論は、なんと一時同居。異人種間生活交流の行方は果たして……? 珍プレー好プレー満載、意外性抜群ラブ?
カメラ・ドール賞の受賞歴もあり、映像監督として異色の存在である早見雅治から、まさかの誘いを受けた津村瞬。出会いは偶然。酔って質の悪い輩に絡まれていた瞬を助けてくれたのが早見だった。介抱された翌朝、瞬は見た。生の撮影現場を。そして絡み合う役者にではなく、あまりに官能的な演技指導をする早見自身に欲情して……。──彼に触れたい……そして触れてほしい! 彼のすべてに全身が反応する、耽溺の育性ラブ
新米記者の護がずっと憧れていた、敏腕ジャーナリストの黒川哲也。しかし念願だったその初対面は、護にとって何から何まで異常だった。初顔合わせなのに、護と知っているかのような言動、彼の存在に俄かに感応する己の体、その上彼の容姿が妖しく変じ、闇色の靄のようなもので護の自由を奪ったのだ。そうして護と翻弄しながら黒川が迫ったのは、なんと肉体関係……。──すべての謎を解く鍵は、護の失った記憶にあるのか? 極上の悦楽が覚せいを促す、現代幻妖ミステリー!
実力派エリートの智紀が、ある夜捕らわれた異世界・鳳麗国。元の世界に帰るため智紀に課せられたのは次期王の選出だった。候補は精悍な双子の皇子たち。しかし選ばれなかった一方には未来がないと聞き、智紀は即断することができなかった。結局、彼らとともに試練の旅に出ることになったものの、才気煥発、勇猛果敢なふたりは実に甲乙つけがたく、智紀の苦悩は深まるばかり。しかも彼らは、常時全力で智紀を口説いてきて……。雄大壮麗、中華風・ロマンティック幻想絵巻!
内紛真っ只中のスラビア共和国。その戦闘地域に突如民間ヘリが闖入し、誤爆された。傭兵の海渡が駆けつけると奇跡的に生存者が1名。とんでもない美貌の男は幸いすぐに気がついたが、「嘘、名前が出てこない……」事故のショックでだろう、自分の素性に関する記憶を失っていた。呻き震える麗人はまるで捨てられた小動物のようだった。無垢で危ういその姿に、海渡は無意識に心を奪われて……。運命のゲリラロマンス!!
正義感の強い芳顕は兵部卿宮の末息子。理不尽な目に遭わされた庶民たちに代わり、こっそり仕返しを請け負っていたが、ある夜、近衛中将・藤原雅俊に捕らわれてしまった! 取り調べなのか仕置きなのか、身ぐるみ剥がれ、あちこち弄られ……どうにか逃げ出したものの、管弦の宴で不運の再会。拉致された芳顕は、「ばらされたくなければ、女装して後宮で密偵をしろ」と脅されて……!? 雅やかな宮中で女房に衛士にと華麗に変身! ちょっと過激な平安ジャパネスク・ロマンス
母を病で、父を事故でなくし、借金取りに無理やり連れ去られそうになっていた孤児のジョルジオ。無我夢中で助けを求め……その手を取ってくれたのは、怖れ多くも巡察中の時の教皇、紫耀だった。ジョルジオは『煌夜』という洗礼名を与えられ、その日から自分のすべてとなった紫耀に誠心誠意仕える。けれどこの上なく大切に慈しまれているうちに、いつしか禁断の想いを抱いてしまい……。全世界に億単位の信者を擁する聖教会──その戒律で縛られた聖職者たちの、生涯一度の恋!!
病気自己問わず、迎える妻が次々と死に至る男──龍堂隆光。陰で青ひげ公と噂される彼の死を『視て』しまった占い師の本田直斗は、その陰惨な未来を変えるため、当たり屋の真似事までして隆光に近づいた。だが、ただ彼の身を案じてのその行動は、相手には受け入れられなかった。当然だろう。隆光は直斗の力の真価など知らないのだから。それでもしつこく食い下がる直斗に、隆光は無理難題を吹っかけてきた。「夜ごと自ら脚を開くなら、側にいることを許可してやってもいい」妻たちの死の真相にも要括目。体を張って暴君を守るミステリーラブ!!
両親を事故で亡くし天涯孤独の光理。ある日光理は生贄として異世界に攫われるが、金髪碧眼の王・ロッドバルトに助けられた。光理は潜在能力が高いため老いた神皇の新しい「器」に選ばれたが、「器」としては純潔であることが条件と聞く。神皇が新しい「器」を得て力を持つことを阻止するため、ロッドバルトは光理の清らかな体を奪い、穢された光理は初めての快感に溺れた。けれどロッドバルトは世継ぎのためにいずれ后を迎える身で――。
紳士倶楽部――入会するには厳しい審査があるが、施設内ではどんな淫らな行為も許される大人の嗜み。香道の家元である結城にとって、紳士倶楽部で淫靡な欲望に浸っていることは絶対に知られてはいけない秘密だ。ある満月の晩、野生の獣のような青年・朗に出会い、その眼差しに囚われた結城は朗を連れ帰った。そのまま屋敷に住まわせることにしたが、夜這いにきた朗に下肢を露わにされてしまい――?
アパレル会社の社長兼デザイナーの津田と、カメラマンの柏木、男前な二人が僕みたいな取り柄のない人間を好いてくれるなんて――。同僚の失敗を被ってリストラされた蓮。居酒屋のバイトもクビになったところを、客だった津田と柏木に拾われる。なんで、こんなに優しくしてくれるの? 疑問に思いながらも無気力だった蓮は導かれるまま、とある会員制の紳士倶楽部に足を踏み入れた。――津田と柏木、二人の愛人兼モデルとして、その無垢な身体を開発されるとも知らずに…。
類まれな強い力の持ち主で扶桑神社の神職を勤める神那岐稔は、その力に惹きつけられた美貌の妖の爽と幼少時から共に暮らしている。爽が裏で営む祓い屋稼業のため「力が不足するから稔の力を分けてほしい」と告げられ、毎夜痺れるような快感を注ぎこまれて稔の気は昂ぶる。けれど爽は欲情した稔の気を吸いたいだけで……。自分はただの餌でしかないのかと悲観して爽の神域から離れたところ疫鬼に襲われてしまい──!?
「脱がせてほしい。あんたが欲しいんだ」 ホテルのベッドに横たわり、佳彦は欲情に濡れた瞳で男を見つめた――。美貌の佳彦は過去を視るという異質な力を持つ。しかしそれを使う代償としてはしたない欲望に囚われるのだ。事件に巻き込まれた知人を捜すため力を使い熱く昂ぶった佳彦は、思いがけず居合わせた精悍な刑事の佐伯に抱かれてしまう。それから佐伯に事件解決のために力を使うように強いられ、悦楽を与えられた。悪印象だったはずが次第に佐伯の執拗な熱いまなざしに心を動かされて――?
「こんなに馬鹿で淫乱だなんて、あなたは本当に素敵ですね」 超お金持ちの大学院生・陽二の一番の自慢、それは優秀で極上な執事の牧野である。食事・着替え・体調管理――なんと性処理までしてくれる牧野に多大なる信頼と好意を寄せる陽二は、私的な関係に持ち込めないもどかしさに揺れていた。必死に愛を伝えても冷静さを崩さない牧野だったが、ある事件をきっかけに態度が急変して!? ――天然すぎる御曹司は、腹黒執事に食べられる。
怪我で療養中のカメラマン・一之瀬は、友人の頼みでとある男の世話をすることに。散らかり放題のひどい有様の部屋にいたのは、白皙の美青年――繊細な作風が人気の小説家、吉田和穂だった。美しい容姿にそぐわない幼い言動をみせる彼は、家での様子に反して、外ではその美貌に見合った艶やかな振る舞いをしてみせる――。不安定で危うい彼に、惹きつけられていく一之瀬だが……。
金花猫の血を引く冬継は高校生。父が営む便利屋の手伝いをしていたが、ある日ストーカー被害の依頼があり乗り出す。すると、そこへ現れたのは禍々しく傲慢な鬼の朝比奈。前世で恋人を亡くし憤怒で鬼と化した朝比奈は、その恋人の生まれ変わりが憑依している依頼主を捜していたのだ。怯える依頼主に近づかない約束を取り付ける代わりに、朝比奈からの辱めを受け入れる冬継。だが、くり返し果てしない悦楽を注がれるうちに心を奪われていき――?
金花猫の血を引く冬也は、街で便利屋を営んでいる。迷子のドーベルマン探しの依頼を受けてやってきたのは豪華な邸宅。依頼主の上條は命令口調で傲慢そうで…厄介な客だと思ってたら、不覚にもマタタビと猫じゃらしで本性を暴かれた! その上「ちょうど退屈していた」と言う上條は、冬也の酩酊感を利用してエッチを仕掛けてくる。耳と尻尾を出して快感に酔いしれた後、上條が花嫁探しに下界に降りた金花猫の次期頭領だったことを知る。以来、権力をたてに昼は便利屋、夜はベッドと振り回されて…!?