絶望に囚われ、死に執着する人間が放つ不吉な甘い香り――交通事故で兄を亡くして以来、「死の匂い」を嗅ぎ取れるようになった月島(つきしま)。「死」を漂わせる人間とは極力関わりたくない…。そう思っていた矢先、経営する飲食店の改装工事で、若い職人の佐埜(さの)と邂逅!! 精悍で鍛えられた肉体は生命力そのものなのに、なぜかあの匂いを纏っている!? 警戒する月島だけれど、工事後も客として店に現れて!? ※口絵・イラスト収録あり
剣道の道場を経営する永岡家が抱えた多額の借金。若き師範・永岡蒼に返済を迫ってきたのは、十年前門下生として共に精進した望月だった。 望月の変貌ぶりに戸惑う永岡に、ヤクザとなった男は容赦なく、自分の舎弟たちへ永岡を凌辱するよう言い放った。 「そろそろ道場を売る気になってきたんじゃないのか?」 神聖な道場を穢(けが)す快楽の拷問が果てしなく繰り返される。 永岡は望月にやめてくれと訴えかけるが、かつての親友は冷たく見下ろすばかりで…。 ねじれてしまった友情の向かう先は!?
「いいモノがあるんだけど、興味ある?」 禁欲的な容貌の幼馴染み・阿立(あだち)がバーテンを務める店で、ハードボイルド作家の男鹿(おが)は、見知らぬ男から妖しげな錠剤を手に入れた。「憎たらしい奴を跪かせることもできる」という売り文句に、長年邪(よこしま)な想いを寄せる阿立の顔が浮かび、つい買ってしまったのだ。顔を見れば暴言ばかり吐いてくる阿立に一度「ご主人様」と言わせてみたい…。そんな妄想気分で試した錠剤の効果は想像以上のもので――!? サディスティックな美しいバーテンとスイッチが入ると鬼畜になってしまう小説家、二匹の獣の破天荒ラブ!!
圧倒的な雄の魅力を持つ若頭・黒田の出世を望む、二宮。彼は黒田の右腕だったが、何故か彼だけを残し黒田は姿を消す。裏切り者の黒田を殺すため必死に捜すが、そんな彼を嘲笑うように逆に監禁されてしまう。そこで黒田に快楽のすべてを与えられ、喰らいつくされる…。性的不能な二宮は、憎みながらも二対の獣のようにむさぼりあい、我を忘れるほどの愉悦を初めて感じてしまう!! 嬲られ犯されてもなお追い続ける二宮は、黒田の真意を知り――!?
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】鷹匠は国のために戦う鷹族に我が身を与え、彼らを癒やす。そんな自分の運命を嘆くナダは、最強にして最も危険な鷹族・ヴィルベルトの番に選ばれてしまう。だが、ヴィルベルトは戦いの後、鷹匠の躰と癒やしを欲して劣情に駆られても、ナダを求めてはこない。慮ってくれているのか、気に入られていないのか。消耗したまま戦いに出たヴィルベルトは命を落としかけて…。ナダは思いきって、数日間まぐわい続ける「巣籠もり」で彼を癒やそうとするも、必要ないと突き放され!?
「俺のつがいになる覚悟はできてんの?」海辺のビストロでシェフをする赤尾の店に入って来たびしょ濡れの客。その青年・久白はある理由からビストロで働き始めるが、身を潜めている節があり得体が知れない。ある日、男を刺激する淫靡な香りを放ち苦しむ久白を介抱しようとすると「発情期だから近づくな。後戻りできなくなる」と言う。赤尾は、厄介ごとはごめんだと思いつつも久白に強烈な劣情を覚えて!?狩る者、狩られる者、護る者、媚惑の躰を巡り運命が交叉する――。
深夜の山道をドライブ中、見知らぬ男が突然飛び出してきた!? 自殺行為に驚愕する矢代(やしろ)だけど、大量に出血した男はなぜか服の下に傷一つない。しかもその男・司波(しば)は、なんと「俺は死ぬ方法を探してる」と告白!! 不老不死の薬を飲んで以来、150年生き続けているという。死という終着点を失くし、この世に居場所を見出せず永遠に彷徨う…。放っておけない矢代は、共に「死ぬ方法」を探すことに!? ※口絵・イラスト収録あり
「喰っちまいたいほど、いとおしい」くたびれたウサギのぬいぐるみの前に突如現れた新入りの狼の高級ぬいぐるみ。ある日、ウサギのぬいぐるみは無理やり狼のぬいぐるみに襲われてしまうが、胸についたボタンを執拗に弄られるうちに、もっとひどく犯してほしいと自ら腰を突き出してしまうハメに…。それから毎夜受ける狼からの言葉攻め、尻尾攻め…。ウサギのぬいぐるみはクローゼットの奥で躰をもてあそばれるだけだと思っていたが…? ぬいぐるみ同士、秘密のエロティック純情ラブ! より濃厚で刺激的なエッチを詰め込んだ短編読み切り!!
【一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】勇者なのに魔王に押し倒されてます!
亡き姉の一人息子・一翔と暮らす優の元にある日、夜の雰囲気を持つ極道・鷺谷が現れ、一翔が実は鷺谷の属する組の組長の隠し子だと告げてきた。知らぬ間に一翔に高級品を買い与え懐柔しようとする鷺谷に優は反発するが、ならば一翔に既に使った金の返済を「躰で払え」と非情に迫られてしまう。無理矢理自分を抱く鷺谷に必死で抗う優。けれど、自分にピアノを与え、諦めたはずのピアノへの情熱を掻き立てる鷺谷のふと見せる優しさに、鷺谷に惹かれるのを抑えられなくて――。
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】「うさぎだった頃から、ずっと狙ってたんだよ」ペットが人間化した獣人の世界へ迷い込んでしまった小平は、昔飼っていたうさぎのシマと再会する。白くふわふわだったシマは、キックボクサーとなっていた。「俺とつがいになってくれ!」獣人の世界でモテ期到来!?なぜか獣人たちに求愛されまくる小平を守るため、シマが小平のつがいとなることに!?ふわカワうさ耳の格闘系オヤジが大活躍! かっこいいのにもふもふ
【電子限定版】書き下ろし番外編「感情の証しに見るものは……」収録。●初めましてご主人様。私は執事型アンドロイドのキースです──金髪碧眼でお伽話から抜け出た王子様のような美男が、突然闇夜に現れた!? 闖入者に驚いたのは、一度は小説家としてデビューしながら、挫折してフリーター暮らしをしていたなつめ。流暢な日本語を話すキースは、なんと未来のなつめの子孫から、筆を折ったなつめにもう一度小説を書かせるために遣わされたのだと告げてきて…!? ※口絵・イラスト収録あり
四十過ぎた野獣な男やもめと、発展途上の高校生。理想の恋人を選ぶなら…!? 年上の幼馴染み・野垣に長年片想いをしていた栢山。ところがその息子・智也から告白されてしまった!? 「若い男もいいもんだよ?」父親そっくりな声で迫られ、心揺れる栢山。けれどそれを知った野垣は「息子に手を出すな」と大激怒。栢山に挑発されるままに「身代わりに俺が抱いてやる」と言い出して!?―。※電子版には、紙版に収録されている挿絵は収録されていません。
【電子限定版】書き下ろし番外編「二人しか知らない」収録。●氾濫する薬物と組織犯罪から社会秩序を守るため、酒と煙草の違法入手が禁じられた未来――赤いマントを纏い、夜の街を華麗に徘徊する謎の運び屋「赤ずきん」。標的に追うのは警視庁の特殊部隊≪ウルフ≫の捜査官・向井(むかい)だ。人目を引いては警察を翻弄してくる男を、次こそは捕まえる!! 男の身のこなしに只者じゃない風格を感じていたある日、男がなんと元ウルフの創設メンバーだったと判明し!? ※口絵・イラスト収録あり
溺愛する弟の前では平凡な会社員、裏では株式市場でシノギを削る冷酷な極道――。二つの顔を持つヤクザの鬼島(きじま)に言い寄るのは、相棒で凄腕仕手師の伏見(ふしみ)。いくら口説かれても仕事相手とは恋愛しないと、拒絶して二人で荒稼ぎする毎日だ。ところがある日、弟に正体がバレてしまった!! 医師を目指す弟を裏社会には巻き込めない…決別して喪失感に苛まれた鬼島は、ついに伏見に身を任せて!? ※口絵・イラスト収録あり
【電子限定版】書き下ろし番外編「諦め」収録。●人里離れた山中で、大量の血痕を残して刑事の親友が失踪!? 突然の死を受け入れられずにいたバーテンダーの沖野(おきの)。ところが一か月後、目の前に死んだはずの菊地(きくち)が現れた!! 「俺は吸血鬼になったんだ」衝撃の告白に半信半疑だったけれど、首筋を舐める視線は、人ならざる気配を孕んでいる。捜査中に犯人に殺されたのに、肝心の記憶が欠落しているという菊地。二人で犯人捜しに乗り出すことに…!? ※口絵・イラスト収録あり
【電子限定版】書き下ろし番外編「自由を知る」収録。●美しい高音で囀り、時には人を喰らう妖鳥に変化する鳥人『眼白(めじろ)』──。高値で闇取引される眼白の保護に奔走する警視庁捜査官の白井(しらい)。実は眼白の証である隈取りを化粧で覆い、己の正体を隠していた。そんなある日、人身売買の黒幕の手がかりを求めて訪れたのは、伝説の『鳴かせ屋』調教師の鵙矢(もずや)。初めは一切協力しないと豪語していたのに、白井を見た途端、なぜか潜入捜査を買って出て!? ※口絵・イラスト収録あり
【電子限定版】書き下ろし番外編「魔性、再び」収録。●幼稚園では園児を惑わせ、小学校では教師を狂わせる──男に惚れられるフェロモンの呪いで、平凡な地味顔なのに恋愛沙汰が絶えない名波(ななみ)。住む場所を失くして身投げする寸前を救ったのは、漆喰職人の比嘉(ひが)だ。「俺は呪われた血なんて信じねえぞ?」曲者揃いの職人達から男惚れされる比嘉の力強い言葉――今度こそ平穏な人間関係が築けるかも…? 名波は比嘉の下で職人見習いをすることに!? ※口絵・イラスト収録あり
父の失踪の真相は、誰にも知られてはならない──。重大な秘密を抱えて工房を営む、若き鍛治職人の遥人(はると)。そこに現れたのは、最も会いたくなかった大親友で幼なじみ──捜査一課の敏腕刑事となった青海(おうみ)だった!! 事件捜査で帰郷した青海は、頻繁に訪れては遥人を熱く見つめてくる。この焦がれる視線の意味は欲望か、それとも隠れた罪を暴こうとするものか? 遥人は不安と恋情を煽られて!? ※口絵・イラスト収録あり
大学時代からの友人で、魔性の魅力を持つ男・楢崎に惑わされる、准教授の岸尾。大学生のころから楢崎に惚れていた岸尾は、楢崎が放つエロスに負け、とうとう一線を超えてしまった。しかし、楢崎の態度はその後も一向に変わらず、さらには他の男に抱かれたような様子まで岸尾に見せてくる。そんな彼に対し、岸尾はついに決別を言い渡すが…。無自覚ビッチに惚れてしまった岸尾の運命やいかに――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
仕事場で女性からは空気扱い・邪魔者扱いをされているサエない公務員の皆川修平。しかし実は、男にはなぜか異様なまでにモテまくり、老若男男、喰い散らかしている節操のない魔性のゲイだった。男と別れるときは、いつも幼馴染みのガテン系リーマン・高森に恋人のふりをお願いし、円滑に男と別れていた。そんなある日、皆川はストーカー被害に遭ってしまう。危ないところを高森に助けられた皆川だが、その日から高森のことが忘れられなくなってしまい…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
冴えない中年オヤジの袴田俊樹は突然、元AV女優の妻に離婚を迫られる。その夜、バーで泥酔した袴田は、気づくと同じ会社の出世頭・池田優作と全裸で同衾していた。一夜の過ちで、モテる池田が自分に興味を持つわけがないと思っていたが「課長の色気にやられました」と熱烈に口説かれる。全く理解できないまま、押しが強くAVが大好きだという池田に流され、様々なプレイを楽しむ仲に。だが偶然、池田が袴田の別れた妻のファンだと知ってしまい――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
かつての恋人・蘇芳忠利の勤める病院を相手取り、裁判を起こすことになった弁護士の陣乃彰之。十年前、尊敬してやまない蘇芳と愛し合っていた陣乃は、ある事件がきっかけで、手酷く別れを告げられた。情熱的に自分を求めてくれていた蘇芳の豹変に傷つき、陣乃は彼の前から去ったのだ。蘇芳と再会した陣乃は、裁判から手を引くように迫られる。陣乃の淫蕩な本性を再び暴こうとする蘇芳に憤りながらも、彼を忘れられずにいたことを実感するが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
自由もなく、周囲の意のままに生きてきた皇太子・春楊は、ある夜、密かに抜け出した東宮の庭で赤みがかった瞳の男と出逢う。男の名は孝先。火眼虎の異名を持つ禁軍兵士だった。閉鎖的な生活の中、誰もいない庭で月を眺めることを心の慰めにしていた春楊は、突然現れた男に恐れと興味を抱く。強引に再び逢う約束を重ねるうち、孝先の不器用な優しさを知り惹かれていく。だが皇帝が毒殺されたことにより運命が大きく変わり始め…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。