小学校×ホラーは間違いない
7月から第三部が始まります
※ネタバレを含むクチコミです。
地味な女性が主人公で、“白雪姫”がいわゆるザマァ役かと思いきや
あざとい、ぶりっ子、若さと顔だけ、マウントとりがち、彼女が気に入った人以外の敵。 彼女を批判する言葉は他にもいくらでも出せる気がする。 それでもターゲットとした男性からは恐ろしく好かれる、ある意味要領が良い女性。 「白雪姫」こと、白雪愛莉が主人公である。 『みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?』というタイトルは、悪役側のセリフではない。 イケメン&ハイスペック男性に選ばれしオンナになりたい愛莉。 加えて、羨望や褒め言葉などはすべて自分に集めたいという、こじれた性格をしている。 なので、イケメン&ハイスペックを求めて、男を取っ替え引っ替え。 アクセサリーのように、取っ替え引っ替え。 より貢いでくれる男を求めて取っ替え引っ替え。 しかし、選ぶ男は誰も彼もダメ男。 そこはだめだろうという要素を、ぶち抜く勢いで踏み抜いたダメ男。 あまりの男を見る目のなさに憐れみが出てくるけども、次の男への切り替えも非常にあっさりしていて、憐れむ隙を与えない。 そして変わらず、イケメンが現れたら値踏みしつつ、男受けする性格を演じ、落とそうと画策する。 いやあ、非常に良い性格をした、したたかな姫である。若さが保たれるうちは、王国も安泰ですね。 ちなみに、地味女性のほうを主人公にしてもお話ができそうなほど、ステキなキャラクター設定。 日本酒&せんべろ&御曹司をテーマに、一つ読んでみたい。
きみが好きなぼくを
めちゃくちゃ自分の学生時代を思い出しちゃった…あるあるじゃない!?自分の中に自分が二人いるみたいな、ダメな自分嫌だな…みたいな。不安みたいな不満みたいな、変わりたいみたいな、そんな気持ち。 なんでも器用にこなす「おれ」と替わるダメダメな「ぼく」。終盤まで木梨がほんとダメダメだったけど、最後はちゃんと自分の意志で言葉で、選び取った言動がアツい。 いい大人の自分にも刺さった良作でした。
「す」で終わらせてよ!
尻瀬好きだ!!!「『す』で終わらせてよ!」でもうドキーンですよ。はあ~にやける。末永く爆発してほしい。あと佐野めっちゃいい奴。大事にせえよ…。 鳥飼と尻瀬の名前ってふたつの意味でしりとりになっててすごい。…ん?となると尻瀬が左…?と素晴らしい可能性に気づいたのは内緒です。
ギャルの友情だ~!!
たった8ページしかないのにめちゃくちゃ心に響いちゃった…!!ギャルの友情最高かよ…。年をとっても、見た目やファッションの雰囲気が変わっても、友情は変わんないよね…!てえてえですわ。 というか本当に8ページだとは思えない満足感、読後感めっちゃよい!起承転結まとめるのが上手すぎる…!!面白かったです!
恋愛感情、美味しくいただきます
オイオイ好きだよこういうの~~!!初っ端美人JK4人に告白されてウハウハかと思ったら、恋愛感情を食べるためとか!!いいじゃないか!!食べられたいので告白されたいです…特にもぐちゃんに…。 5人目が現れてガチ告白は誰だ!?ってなってるの、ミステリー?サスペンス?要素があっておもしれ~~~。名前的にまもりちゃんがセーフなのでは…?と思ってるけど…1話読んだ感じは…。 そんで!スプリットタンが!萌!!最高です。
すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記 #推しを3行で推す
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 「ヘンコちゃんになりたくて」を昔読んで、最近どうしてんのかなと思ってたら読切で「トガってないと保てねえ才能なんて捨てちまえ」を描いていたので他のも読んでみるということで読んでみたがなかなか面白かった ・特に好きなところは? 陽気さと陰気さが良い感じで両立しているところ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 「ヘンコちゃんになりたくて」や「トガってないと保てねえ才能なんて捨てちまえ」のようなものを期待して読むのではなくレポート的な感じで読むのが良いかも
これ以上発展しないで
女の子の体を性的な目で見るのはまあいいとしても値踏みするような発言をしちゃうのはよくないですねこのクソガキと思っていたら、男の子もエロい目で見られいましためでたしめでたし。というお話。 池沢くんも江口さんもちゃんとエロく描かれているし、池沢くんのほうが顔を赤らめて純情な反応をするのがとてもよい。解釈一致。 純愛かどうかはわかんないけど、仲良いのにエロい目で見る以外のアクションを起こさないのが初々しくもあり現代的でもある気がする。 なんかこの2人は発展しないでほしいし、同窓会で綺麗になった彼氏持ちの江口さんを見て落ち込む池沢くんを見たい。後悔してほしい。
緻密に美麗に描かれる宇宙のディストピア #1巻応援
『テヅコミ』にも『メトロポリス』の二次創作を寄稿していたマチュー・バブレ氏が2016年に出版したディストピアSFです。先月に邦訳版が発売され、その電子版もこの度配信され始めました。 太陽が超新星爆発を観測しようとする青年からスタートするプロローグ。そこから100万年後のお話としてストーリーが始まるスケールの壮大さにまず惹かれます。 広大無辺の宇宙空間における、ちっぽけな人間にとってはあまりにも巨大すぎる現象も含めて、美しいヴィジュアルで物語られていきます。 バンドデシネらしい緻密な画風で、ほとんどのコマが背景までみっちり描き込まれているので物語への没入感を強く高めてくれます。コロニーの中の小さなユニットでの生活が見てとれるような描写など、好きです。 「音楽は? 文学 芸術…学問は? それは無から心の奥底から立ち現れる恩寵の輝き 人間は消費のみの存在ではない」 といったセリフに見て取れる言葉選びも好きです。 とある衝撃的なシーンと、そこで爆発する感情には大きく心を動かされました。どんな遥かな未来となりテクノロジーが進歩しようとも、人の人たる所以ら変わらないのはSFらしいテーゼを感じられるところです。 反物質、ホモ・ステラリス、アニマロイドなどさまざまなSF的単語が飛び交いながら、ドラスティックに進んでいくドラマに、気付くと夢中になってページを捲っていました。 ハードで骨太なSFを楽しみたい方にお薦めです。
仄暗い底で剥がされる心と魂の瘡蓋 #1巻応援
小骨トモさんの2冊目となる短編集です。 それぞれ発表時に話題になった「リカ先輩の夢をみる」、「それでも天使のままで」、「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」の短編3作に加え、今回の単行本で先行収録となる「先生のクモのイト」の4篇が収められています。 「先生のクモのイト」は、「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」に連なる作品となっています。 全体的な読み味としては、1作目の『神様お願い』と同様です。表紙絵のようにベースの絵柄は丸っこくてかわいらしいのに対して、剥き出しの″人間″が顕にされる中身の鋭利さたるや。 最初の「リカ先輩の夢を見る」からして、精神的に余裕があるときでないと食らいすぎるので読む時分とコンディションは選びたい作品です。果てしなく深い共感と、そこに隣接する絶望的な感情。読みながら魂が汗をかき血涙を零します。 1篇だけでも抉られるのに、1冊を通読したときの痛痒感といったら。 心の瘡蓋をガシガシと剥ぎ取られ、傷口をグリグリと穿られるような、そしてそれが痛みだけではなく何か他の感情をも催してくるような。 同じ経験をした訳ではないのに、どこか記憶の奥底にある罪悪感を喚起され撫ぜられるような部分もあります。 鋭敏なセンスが昏い輝きをもって溢れている短編集で、ダウナーな気分に浸りたい方やそうした作品が好きな方にお薦めです。
新かかりつけの小児科
本作はブッキー先生こと小児科医と、園児ふたりをかかえる、妻を亡くした夫が登場する。 幼児と乳児がいる波乱の毎日が、その生活に慣れていないかつ生真面目なお父さん視線で綴られる。 オバケメイクのブッキー先生は、土曜日に小さな医院で診察をしてくれている。 大きな病院でバリバリ働く(メイクはなし)先生だから腕は確かなのに、オバケメイクだからか医院はガラガラ。 小児科の先生って、親身になってくれるけど、忙しそうだし、小児科はいつも混んでるから気軽に行きづらい。 そんな親側の気持ちをオバケメイクで結果的に解決している。 オバケメイクを怖がる子供もいそうだけど、そこはどうなのだろう… それから、読んでいて、口コミって大切だよなとブッキー先生のもとへ通う人たちをみて思った。 土曜日で空いていて、腕は確かな小児科って穴場すぎる!
絵が上手くて引き込まれる! さらっと綺麗なんだけど重厚感と湿度があって、日本の怪異と相性がとてもいい! 学級崩壊したクラスの担任になった呑野まりえ先生。言うことをきかない生徒の指導に奮闘する中で、奇妙な現象に遭遇し……というお話。 ホラー要素も教育的要素も中途半端にならずに展開していくし、細かい違和感も全部回収されていて面白いし気持ちいい作品。 呑野先生のこともクラスのクソガキたちのことももっと知りたい、連載になってほしい! 小学校とホラーってどうしてこんなに相性がいいんでしょう。子どもの無邪気さ残酷さやノスタルジーがそうさせるんでしょうか。