命の危機でもお金をくれなきゃ助けてくれませんにコメントする
お金ためます!
Netflixで実写化してくれ!! ドケチ令嬢が小銭を稼ぐハイスクールコメディ! #完結応援
お金ためます! 忠津陽子
たか
たか
このあいだ新刊ページで見つけたのがこれ。レトロな絵柄でオシャレなデザインの表紙だったので邦キチ映子さんタイプの最近の作品かな?と思いきや、調べてみたらなんと1972年の少女漫画。 >「型破りなヒロイン、アニー・モーガンはカワイイのにケチでガメツイ女の子。モーガン財閥のご令嬢でお金持ちなのだけれど、父から20歳までに1万ドルためられない怠け者には、財産を譲らないと言い渡されていた。将来の遺産相続権を得るため、アニーは日々、小銭を稼ぎつつ、常にビジネスチャンスをうかがうのだった!」 というあらすじがメチャクチャ良かったのでソッコーで買ったのですが、期待通りの面白いコメディでした。 https://i.imgur.com/o6UDV1b.jpg https://i.imgur.com/AHhVyzl.png **【アニーの小銭を稼ぐ執念が半端ない】** 6歳のときから10年間お金をためているというアニーは、現在目標金額の半分である5千ドルまで到達。忍たまのきり丸ばりの商売っ気の強さで、24時間息を吸うように小銭を稼ぎまくっている。 宿題代行業で顧客を獲得するため成績1位を維持したり、イケメン・ラフティが溺れているときに救助用品を売りつけようとしたり(ちなみに5ドルだと藁1本、10ドルなら空気の抜けた浮き袋)と、ラフティから懐中電灯を借りて電気代を浮かそうとしたり、ドケチな商人根性は筋金入り。 あまりのドケチ商売人ぶりに、アニーのことを財閥令嬢だと知らない人も多い。 まったく恋愛要素がないこのお話の中で一応アニーのヒーローポジションというか、イケメン枠で登場するラフティもまた、アニーの正体を知らない。 **【アニーと似て非なる生き方 逆玉狙いのイケメン・ラフティ】** マイアミにあるアイスクリーム屋の息子・ラフティはなかなかスッキリした見た目に成績優秀・スポーツ万能という少年なんだけど、彼が人一倍努力して女の子が好む条件を揃えた理由というのがお金持ちの女の子を捕まえるため。 https://i.imgur.com/F7kfS3w.png 1代で財産を築いた父のように自分の力で1万ドル稼ごうとしている少女・アニーのカウンターが、逆玉のために自分磨きをするイケメンという構造が面白い。 ちなみにアニーはラフティのやり方にあんまり納得はいっていないんだけれど、決してムキになって相手を否定したりせず >「人それぞれやりかたがちがうわ とにかくわたしはわたしのやりかたでお金をためるの」 と、相手を尊重して自分のやり方を貫くところが素敵。 物語の中で、ラフティはことあるごとにアニーに金を巻き上げられる(たまーにやり返すところが面白い)んだけど、2巻の最後の方になってついにアニーが財閥令嬢だと知ってしまう展開がしっかりあるのでお楽しみに。 **【ドケチ・アニーの名セリフ集】** >「ようするに頭はかざりじゃないのよ」 ラフティの父のアイスクリーム屋を勝手に手伝い、全部売ってみせたアニーが言ったセリフ。もちろん、手数料としてしっかり3ドル貰っていった。 >「くやしい 1割もらって逃してやればよかった」 空港でトランクを拾ってやった相手から謝礼の1割をもらおうとしていたアニー。しかし相手は公金横領の犯人で警察に捕まってしまいこの一言。 >「わかった? お金ってのはこうやってもうけるものよ」 https://i.imgur.com/6FDVVBK.png 隣人の壁ドンに腹が立ったラフティが隣の部屋に文句を言いに行くとなんと隣人はアニーだった。驚いたアニーが貯金箱を割ってしまいお金を拾い集めるが5セント足りず、ラフティの身ぐるみを剥がしてまで探しているところにラフティの友達がやって来る。ラフティは焦るが、みんなは服まで借金のカタに取られたのだと誤解しアニーはすぐさま「3ドル返して」とのたまう。これを断れば当然、ラフティの紳士の名にキズがついてしまうわけで…。流石アニーの手腕は鮮やか。 **【Netflixで実写ドラマにならないかな…】** 「1万ドル稼ぐ」というテーマがキャッチーでわかりやすく、アニーとラフティの掛け合いが小気味よいので米ネトフリで旬のティーンの俳優を揃えてドラマ化してほしいくらい。 舞台を現代日本に変えてドラマ化しても面白そうなのでテレビ関係者の方に売り込みたい。(身の回りに関係者とかいないけど) アトム ザ・ビギニングみたいにリブートで再コミカライズとかもありだと思います…! メディアミックスで成功する可能性をビンビン感じる完成度の高い作品なのでたくさんの人に届いてほしいです。
アルバート家の令嬢は没落をご所望です
左遷を望む、悪役令嬢マンガ
アルバート家の令嬢は没落をご所望です
ゆゆゆ
ゆゆゆ
本作は、小説家になろう→書籍化→コミカライズと、夢の街道をまっしぐらに進んでいる作品です。 原作は2014年に投稿されているものです。 従者とは思えない態度と性格の従者や、それを許しているご令嬢は超絶権力持ち公爵家の娘。 どこへ行くにもその従者を連れ歩き、学園へは馬車でなく自転車通学、好きなものはコロッケ。 でもやろうと思えば立ち振舞は地位に見合った完璧公爵令嬢を振る舞うこともできる。 にもかかわらず、悪役令嬢だと記憶を取り戻してからは、悪役っぽい振る舞いを従者とともに研究… それから、悪役令嬢を強制するかのような縦ロール。ドリルのような縦ロール。緩やかにならない、かきあげれば、フワッでなく、ブンッ。 なんじゃそりゃ、となる書き方ですが、そこがおもしろいです。 ラブコメですが、主人公は鈍感というかフラグクラッシャーというか、そんなかんじなのと上述のとおりなので、コメディも強いです。 それから表紙イラストより、漫画のほうがキャラクターがイキイキしています。 デフォルメ、コミカル、シリアル。どれも魅力的です。 ちなみに、転生先のゲームは、売れたとあるのにアラが多いストーリーだなあ、と本編とは関係ないところに疑問をもってしまいました。 「乙女ゲームだから仕方ないよNE★」で許されているところが多いです。なので、そこは目をつむりましょう。舞台と、ストーリーを強制するゲームが悪いのです。 続編の逆ハーレムルートはKUSOゲーと言われても仕方ない気もする勢いです。 それでもやりこんでしまう人たちがいるのはキャラクター愛故なのでしょうか。 もしくはだからこそ、3作目が出なかったのでしょうか。いや、1作目が人気すぎたのか。 話がずれました。 オリジナルの小説も読みやすいです。 コミカライズのこちらも読みやすいです。 悪役令嬢系が好きな方はぜひ。
空の音色
心が晴れやかに澄み渡る音がする #1巻応援
空の音色
兎来栄寿
兎来栄寿
『姫ちゃんのリボン』で一世を風靡した水沢めぐみさんも、昨年で還暦を迎えられたという事実に隔世の感があります。私が生まれる前からずっとマンガを描き続けられている水沢さんですが、未だに作品には優しさや瑞々しさが溢れており敬服するばかりです。 『空の音色』、どうしたって『空色のメロディ』を思い出さずにはいられないタイトルですが、内容は異なります。 漫画家として10年目を迎えるものの直近はぱっとせず行き詰まりを感じていた主人公・花音(29)。ある日、姉夫婦が事故で他界し5歳の姪・音色を引き取って育てることに。仕事や恋愛も大変な渦中で、さらにまったくの未経験である子育てが加わりてんてこ舞いになる花音の奮闘の日々が描かれていきます。 身内が亡くなったことを悼む暇もなく、忙しない上に神経を使い続けなければならない日々の到来。父と母がなくなったという事実すら受け止めきれていない5歳児との向き合い方の難しさが伝わってきます。 お弁当の中では特にたまごやきが好きだという音色のために、たまごやき入りのお弁当を作って持たせるものの残され続けてしまい、些細なことであると頭では理解しながらも心にダメージを負って荒んでいってしまうさまなどはリアリティがありました。子供に悪気はまったくなくても、削られてしまいますよね。 ただ、そうした辛さや大変さを乗り越えて、道端の何気ない風景をゆっくりと眺めながらふたりが段々と距離を縮め家族となっていく描写の暖かさには心をほぐされます。 彼氏がまたダメな男で無神経に人の心を削ってくるのですが、幸いにして友人には恵まれており多香ちゃんのような子が側にいてくれるのはありがたいことだなぁと思います。 かわいくて読みやすい絵柄と水沢めぐみさんらしいハートフルさは、本作でも十二分に堪能できます。ファンの方はもちろん、そうでない方もここから水沢めぐみさんの世界に入るのも良いでしょう。
ワンショットロマンス
6つの青春恋愛短編 #1巻応援
ワンショットロマンス
兎来栄寿
兎来栄寿
『やっと君とめぐり逢えたんだ』、『そんなことより今すぐあそぼ!』、また『マーガレット』にて新連載の「かいじゅうの花束」も始まっている雨花深衣さんによる恋愛短編集です。 本書ではフレッシュな高校生たちによる6つの物語が繰り広げられます。それぞれ簡単に紹介していきましょう。 「瞳のシャッターを押して」 負けず嫌いな性格の詩穂が、高校入学直後に成田先輩に煽られて写真部に入るお話。 詩穂の真っ直ぐで気取らない性格が良いです。そのせいで証明写真が酷いことになっているのも含めて好きです。 「オン ユア マーク」 陸上部で″魔女″の異名を持つ高2の一夏と、保健室の宮城先生に恋するエース大樹のお話。 最後の方の一夏のセリフがとても好きです。こういうの、こういうのが良いんですよ。 「君のこころ」 バスケ部2年の龍二が、隣のクラスの小田原さんはもしかしたら自分に気があるのでは? と思い悩むお話。 皆さんも経験ありますでしょうか。年頃の子は、さり気ない一言や一挙手一投足にさまざまな想像を巡らせてしまうらものですよね。それが勘違いだとしたら恥ずかしいし、勘違いでなかったらそれはそれで大変なのですけど。 「エキストラの心がけ」 自分をモブ自認する16歳の栞里が、バスケ部キャプテンのイケメンを″推し″として強火でファン活動していくお話。 ″神様と付き合いたいとか思う!?″ という言説は、推し活と恋愛の差、より宗教に近い推しへの感情が明瞭に表されていて好きです。 「ふたりで帰ろう」 乃木坂にいそうと頻繁に言われる人気者の美憂が、中1からずっと同じクラスで同じ地元ながら自分を嫌っている青山がいるバスケ部のマネージャーになるお話。 「エキストラの心がけ」と同じバスケ部の物語です。嫌われている所から始まる関係や、メガネ男子が好きな人に刺さるであろう一篇です。 「あの子の元カレ」 友人の千果が、彼氏の高槻くんを差し置いて別の男子と両思いになってしまった報告に付き合わさせられる友理葉のお話。 あまりにあっさりと引き下がってくれた高槻くんの真意がどこにあるのか。それを探る途中でちょくちょく出てくる変顔が好きです。 すべて独立した1話完結のお話たちですが、うっすらとお話とお話の間の関係もあって1冊として読むとまたより楽しめます。 決めシーンの表情の描き方など、雨花深衣さんの絵の魅力も作品を盛り立てています。 真っ直ぐ過ぎず、かといって拗らせ過ぎず。ちょうどいい塩梅のさまざまな青春の光耀を浴びることのできる短編集です。サクッと読める良い恋愛少女マンガはないかとお探しの方にオススメです。
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