キチガエルに寄生された人間は抑圧された願望のままに暴れる壊人になってしまう。主人公の蛇ヶ崎晋太郎もキチガエルに寄生され、ムカつくやつらを「ぶっぱなしたい(銃で撃ち殺したい)」という願望から、右手から幽白の浦飯やコブラのようなビームを撃てるようになる。 普通の人間に戻るため、壊人を殺し、相棒のフクロウ毒山田惨死郎にキチガエルを食わせるために戦うマンガ。 壊人の造形はかさぶたが折り重なったような物質で構成されていて結構気持ち悪いんだが、そういう壊人同士が戦うバトルは激しくて見応えがある。金城宗幸らしい人間の薄暗い感情みたいなものが壊人の武器やフォルムに影響されておりダークさを際立たせていて良い
スピリッツ連載中!人気少女漫画家ジョージ朝倉さんの漫画です。 この作者がとても好きで、まさか男性誌で連載するとは思っていませんでしたが、活躍の場が広がるのはファンとしては嬉しい限りです。 さて、内容はスポーツものですが、バレエ(男性)というのは特殊ですよねぇ。美しさや芸術性、表現力、もちろんその根底には徹底した身体づくりと技の鍛錬が必要なわけで、しかも男性となると…一般のスポーツとは一線を画すものがありますね。本当に一握りの、選ばれた人達だけの競技だと私は思っています。だからこそ謎な部分も多いので、へぇ~と感心しながら読みました。 もちろん学校では「男でバレエ」と、浮くこともあるでしょうが、主人公潤平が飄々としているのが救いですね。対照的に友達の兵太君に影があるのが怖いですが、そういう影の部分を描くのがうまい方なのでこちらも今後の展開が楽しみです。
医者とか救急モノは漫画でもドラマでも結構ありますが、ナースにスポットが当たった漫画って意外と少ないんじゃないかなぁと思います。 コスプレとしてはまだまだ人気がありますが、もうワンピースとかスカートタイプの制服って少ないんでしょうね…。看護師って呼ばなきゃならないし…。ナースって響きもパステルのワンピースも可愛いのに…。 この漫画は新米ナースの職場での日々を笑いあり涙あり、ドラマチックに描いた作品です。ところどころにクスッとくる小ネタが散っていて楽しく読めます。良い意味で子供から老人までカバーできる無害な漫画です。佐々木倫子さんの絵って綺麗だし、描き方が正しい感じがします。 原作者小林光恵さんの他の著書も面白そうなのが多いので読んでみたいですね。
松本大洋の描くボクシング漫画。『ピンポン』と同じかそれ以上に激しい試合展開と、試合のクライマックスの瞬間まで織り交ぜられるZEROこと五島の過去や心理が邪魔にならないどころか、五島という狂気的な存在を地に足ついた人間としてうまいバランスを持たせることに成功している。 あまりにも強すぎるチャンピオンが求めた最高の相手とともに行き着く先は理解の及ばぬ孤独。そして、ボクサー五島と、トレーナーの雅この2人の友情や師弟愛では言い表せない人間模様が合わさって、ボクシング漫画の枠に収まらない作品になっている。
霊やバケモノではなく「うずまき」に取り憑かれた町の話。 はじめはうずまきに取り憑かれた人々がうずまき状のものを偏愛したり製作したりする気持ち悪さだったが、だんだんヒトマイイマイという人間がカタツムリ化したやつが出てきたり、最後は異世界に迷い込んだ怖さにたどり着いて恐怖のスケールが大きくなっていく。 ところどころで笑えて怖いだけじゃないところも好き。夏になると読み返したくなる。
NHKドラマの「おんな城主直虎」&河合克敏先生の故郷でも井伊谷を舞台に、ドラマ化されるに至った経緯を取材していく読切。
7巻の終わり方も「おお!」というものだったけど、8巻はそれを越えた・・・ あきらを避けまくる店長にはモヤモヤしながらも迫るクリスマス。最後、あれはどうなったんでしょうか。気になって、あともう1話収録してくれよ!と叫びたくなる終わり方。 もうどんどん面白くなっていっているので、目が話せないですね。
戦う人、怯える人、そそのかされる人、助かりたい人、日常を続ける人…。いよいよあの子が動く!?(大葉くんかっこいいな)
主人公は病棟看護から訪問看護に身を転じたばかりの新米訪問看護士の宮間美守。病院での看護ではないため、規定の時間を1分でも過ぎれば保険の補助外になってしまうためかなり熟練した技術を求められたりしているのに四苦八苦しています。訪問看護を使うのは年金暮らしの高齢者が多いということで、訪問看護についてだけでなく老いや死とも向き合う場面が多かったです。 宮間美守がナイチンゲールに憧れすぎるが故に、利用者と仲が良くなりすぎ(それがこうじて看護師としての信用も得る一方で)サービスでケアをしてしまったりする、看護師という職業的な葛藤が描かれていたところがとても面白かったです。
美術予備校に通うことになった浪人生のももねの1年間の話。 ももねの恋模様が話の大きな筋にはなっているが、予備校に通う浪人仲間や失踪した自称美術家の父、過保護な兄姉母とのやりとりもとても魅力的。 というか、ぼーっとしているももねがこれまであんまり考えたことのなかった恋とかについて周囲に触発されてちょっとずつ考えたりするようになる相互作用のようなものを感じる。 恋愛がテーマの漫画だけど、くどくなく爽やかでコンパクトにまとまっているしとても面白い。
キチガエルに寄生された人間は抑圧された願望のままに暴れる壊人になってしまう。主人公の蛇ヶ崎晋太郎もキチガエルに寄生され、ムカつくやつらを「ぶっぱなしたい(銃で撃ち殺したい)」という願望から、右手から幽白の浦飯やコブラのようなビームを撃てるようになる。 普通の人間に戻るため、壊人を殺し、相棒のフクロウ毒山田惨死郎にキチガエルを食わせるために戦うマンガ。 壊人の造形はかさぶたが折り重なったような物質で構成されていて結構気持ち悪いんだが、そういう壊人同士が戦うバトルは激しくて見応えがある。金城宗幸らしい人間の薄暗い感情みたいなものが壊人の武器やフォルムに影響されておりダークさを際立たせていて良い