しあわせの鳥は何色 【電子単行本版】
インコの恩返し #1巻応援
しあわせの鳥は何色 【電子単行本版】 やまびこ山脈
兎来栄寿
兎来栄寿
とてもかわいいお話です。 ヒロインは今生では廻(めぐる)という名前の平凡に平和に暮らしていた女子高生ですが、実は前世はインコ。ある日ふと前世の記憶が蘇る瞬間が訪れます。一体何かと思えば、現れたのは来世の運命を司るというフクロウ。 何でも前世で自分に優しくしてくれていた飼い主の男の子が大いなる不幸体質で、その彼を幸せにするために自分は転生したと言われます。 あんなに優しい人が幸せになれないのはおかしいと、誰にも明かせない正体を持ちながら大好きだった飼い主を幸せにするための秘密の奮闘が始まっていきます。 設定はファンタジーですが、ミッションを果たすためにやることはといえばアルバイトを通して目的の人に近付くなど、他の少女マンガでもありそうな地に足の着いた現実的なやり方。初めてのアルバイトを経験するという瑞々しさに懐かしい気持ちになり、書店でのアルバイト風景は純粋に応援したくなりました。 また、チケットノルマのある劇団という特殊な世界についても、多少内情を知る身としてはあるあると思いながら読みました。 推しが幸せならそれでOKです、という考えが根底にあるところは通常の恋愛マンガとは異なるところで、自分自身の幸不幸は度外視で行動していくのがポイントです。 『鶴の恩返し』の鶴は、その後幸せに生きたのだろうかとふと考えてしまいました。