明るい青少年のための恋愛

すごいものを読んだ【1巻感想】

明るい青少年のための恋愛 東宮千子
天沢聖司
天沢聖司

アマゾン見てたらおすすめで出てきたBL。懐かしい絵柄が素敵だな〜となんとなく1巻読んでみたら「この漫画もしかしてものすごい作品なのでは…?」と思わされた。 こんなに素敵な表紙で少女漫画みた〜いと思って読みだしたら攻めがサイコだった驚きよ……。 「サイコ御曹司×金髪碧眼ワンコ系日本男児」の2人が最後に一体どう着地するのか全く読めない。 今まで心を許せる友達の居なかった中井(育ての親を亡くしたばかりの金髪碧眼で寺社仏閣が好きな日本男児)が、趣味の話を通じて御曹司の俊鷹に心を開く。 が、俊鷹の方は中井のことを「綺麗な洋犬(※文字通りの意味しかない)」と思っていて、その言動にピュアな中井は振り回されて傷つくが金銭的には俊鷹を頼らざるを得ず……という話。 何よりすこいなと思ったのがこのサイコ御曹司・俊鷹。 日本の景気が低迷するにつれ、BL業界では「スーパー攻め様が闇のオークションで受けを落札する」というシチュエーションが減少するに留まらずその落札価格の方も安くなっているのだそう。 しかしこの『明るい青少年のための恋愛』は日本が最もイケイケだった80年代後半に描かれているだけあり、俊鷹とその兄たちが途方も無い上流階級の大金持ち。 「そりゃ〜この時代ならこんぐらいの金持ちはその辺にいただろうな」 「こんだけ実家に金があって変な兄貴たちに育てられたらこう歪むだろうな」 「こんだけ大金持ちならそりゃ攻めになるしかないわな」 と納得してしまう。 あの時代でしか描けない、途方も無い財力が説得力をもたらしているすこいキャラだな〜と感心。 1巻の時点で俊鷹はそうとうヤバ奴ですが今後本当にどうなっていくんだろう…怖いけど続きが気になる。