GA 芸術科アートデザインクラス

いつもそこに、アートと笑顔があった(最終巻オビより)

GA 芸術科アートデザインクラス きゆづきさとこ
サミアド
サミアド

『G.A.(ギャラクシーエンジェル)』ではなく 『GA(芸術科アートデザインクラス)』 楽しい学園生活4コマです。 芸術トリビア、芸術あるあるネタ、コントみたいな掛け合い、予測不能な展開、豊富なネタや伏線、癒し系のオチなど見所いっぱい。 イラストレーターでもある作者さんの彩色イラストは超綺麗で 美術系作品という事もあり遊び心が満載。 『棺担ぎのクロ。~懐中旅話~』の淡い絵も良いですが 個人的にはGAの ポップで元気でカラフルなイラストが好みです。 単行本はオマケ4コマが収録されていて 裏表紙やカバー下も面白いです。 そしてカラーページはカラーで収録!豪華!芳文社偉い!!良くやった!!! 不思議ロボ:キョージュ みんなの姉貴分(同学年):ナミコさん 爆才(災)ロリータ:ノダ 名前不詳の俺っ娘:トモカネ 地味だけど実は中心:二月ちゃん の主人公5人は勿論、 先生達や途中加入の美術部メンバーも個性的な良いキャラばかり。 凄腕作家が魅力的なキャラクターを素敵に描いた面白漫画 それがGA ! 基本的にアシスタント無しで1人作業だったそうです。こだわり凄い。 注意点。 ネタが詰め込まれているので字が小さく、電子書籍では読みにくい部分があります。 キャラが多く人間関係や伏線を覚えている前提のネタもあるため、いきなり途中だけ読んでも?になる可能性があります。 セリフや絵で全てを説明せず、4コマのタイトルやそれまでの流れから『察してください』的ネタもあるので、漫画を読み慣れない人にはわかりにくい話があるかもしれません。 きらら系の目が大きいキャラに抵抗感がある人にはとっつきにくいかも…。 色々書きましたがド名作です。コメディとして面白いし、アートしてるし、この漫画らしい余韻を残した爽やかなラスト。未読の方にオススメしたい大好きな作品です。 ※完結後に発売された画集も大満足の内容です。

千歳くんはラムネ瓶のなか

リア充になりたいかー!

千歳くんはラムネ瓶のなか 裕夢 ボブキャ Raemz
六文銭
六文銭

クラスカーストなるものがある。 いわゆるバラモン的な最上位がリア充といったところで、オタクや引きこもりは最下位みたいな。 本作は、主人公が最上位のリア充で、クラスメイトの引きこもりにリア充とはなんぞやを教えていく話。 まず、これはライトノベル原作で、しかも「このライトノベルがすごい」で今年1位になったということで、ラノベ界では一定の市民権を得ていることに驚いている。 つまり、 え、ラノベ読んでいる層の方々、リア充になりたいの? と驚いたのだ。 そもそもラノベを読んでいる層とリア充とは水と油みたいなもんで、双方相容れないというか、たぶん生態系としてお互い興味関心がないんじゃないかと思っていたから。 (すいません。多分に偏見があります。自分がそうなので。) 令和の学生たちは違うのかしら?と驚いた。 と、ここまで書いていて思ったのが、 こんな感じで相容れなかった二つの種族が歩みよっているのが新しいのかもしれないと考え直した。 今までは、理解されないもの同士、対立構造(ないしは交わらない平行関係)だったのが、本作は、リア充から陰キャに対して歩み寄りともいえるコミュニケーションが生まれているのが斬新なのかもしれない。 そう考えると、今までのカテゴリにない面白さがある作品なので、ぜひ一読をしてほしい。 そうでなくても、安定運用のラノベ原作の可愛い女の子が盛りだくさんなので、そのラブコメ要素でも楽しめると思います。 しかし、スクールカーストとか、リア充がどうとか、他人にどう見られているかとか、学生時代とはなんとも生きにくいもんですね。

あんどーなつ 江戸和菓子職人物語

洋菓子から転向!下町と修行と人情と

あんどーなつ 江戸和菓子職人物語 テリー山本 西ゆうじ
たか
たか

「パティシエールを目指していた女の子が、和菓子職人の弟子になる物語。「そんなん面白いに決まってんじゃん…!」と読んだら、案の定面白かった! (違う世界に挑戦する話が大好きなんです…Real Clothes、スピナマラダ!、空手小公子 小日向海流みたいな) まずこの絵柄がいい! キラキラした少女漫画やシュッとした少年漫画じゃ出せない「素朴さと温かみ」が下町の義理人情を引き立ててたまらない。 そして職人の在り方・心構えをガッツリ丁寧に描いてるところがいい! 和菓子を作るには、材料から日本の四季と文化に精通しなくてはならない。よって親方や女将さんがなっちゃんを育てるために、あれやこれや手を尽くすし、なっちゃんも期待に応えるために真剣に努力する。 店には親方、兄弟子、店を取り仕切る女将さんがいて、和菓子の道を極めるうえで主人公彼らとは「師弟関係」という線引きがある。 尊敬と愛情で繋がる「親しいが馴れ馴れしさはない」、職人の世界の人間関係がすごくよかったです。 そして何より、全く道の厳しい世界でもヘコたれない、主人公の真っ直ぐな心とタフな根性が読んでいて気持ちがいい! こういう子好きです。 何も知らずに読み進めていたところ、20巻のあとがきで衝撃を受けました。 作者の方がご病気で逝去されており、その遺志を継いで未完のまま完結させるというお知らせでした。 アメリカから来た新しい弟子となっちゃんの関係がどう決着するのか本当にワクワクして読んでいただけに、「ここでなっちゃんの世界は終わり」といきなり知らされショックで呆然としました…。 未完ではありますが、作中の下町人情や美味しそうなお菓子、日本の伝統文化は本当に最高。 最初から未完であると知ったうえで楽しんで読んでほしい名作です!