あらすじケイタはついに夢のジャパンカップ決勝の舞台に立った。鉄は新しい彼女が出来、うまくやっている。コロナ禍で自由に練習もままならないみよは、競技復帰の足がかりとしてプライベート・ウォールの制作にとりかかる。果たしてみよが復活する日は来るのか…。幼なじみの三人を描く青春譚、感動のフィナーレ!七生のその後を描いた番外編「石垣島」も収録。
主人公・みよは豆腐メンタル。幼馴染のケイタはガンガン進んで周囲をかき乱す。もう一人の幼馴染・鉄はそんな二人に振り回されてペースを乱す……本作はオリンピックを目指す三人の関係性を中心に、クライミング競技者の「メンタル」を描きます。 家族の応援のプレッシャー、恋とパフォーマンスの因果関係の分からなさ、ライバルの存在と力み……競技者の心は難しい。 繊細に描かれる心模様と、それに苦しむ姿にはシビアな現実感があり、読んでいてもどかしく苦しい。しかしクライミングと向き合い、心を定めて高みを目指す彼女達を追う高揚感は、物凄い! 舞台の宇都宮の風物、クライミングジムや岩場までリアルに描かれ、講師のトップ選手も実在の選手がモデルになっている様です。 舞台から心理までリアルに描き、派手さはないけれど真剣な物語。4巻以降、みよの試練が示唆されますが、例え苦しくても、切実な心情を追うのを止められなさそうです。