あらすじ
決して仲のいい母娘じゃなかった。だからこそ、今、お母さんに伝えたいことがある――。余命宣告、実家の処分、お墓や遺影のこと、最後の旅行、そして緩和ケア病棟へ。「母の死」を真正面から描いた、涙なしでは読めないコミックエッセイ。***「すい臓のほうに何かあるって」。大阪で暮らす姉から、エネルギッシュで毒舌でコワモテの美人の母が、余命1年のすい臓がんだと告げられた。釧路で一人暮らしをしていた母は、看護師をしている姉の元へ身を寄せ、通院と治療が始まった。抗がん剤の副作用や痛みに気分が浮き沈みし、母のイライラは最高潮。心はガチガチに閉じていて。余命宣告、実家の処分、お墓や遺影のこと、家族総出の最後の旅行、そして、緩和ケア病棟へ。誰もが経験する大切な人との別れは、想像と違うことばかり……。決して仲のいい母娘じゃなかったかもしれないけれど、だからこそ、今、お母さんに伝えたいことがある――。思わず「お母さん」ってつぶやきたくなるコミックエッセイです。
がん闘病コミックエッセイは数あれど、これほどわかりやすく、かつ面白く描かれているのはないかもしれません。 癌になるのは著者である瀧波先生のお母さんで、年齢的にも子供側の立場で読んでしまうのですが、漫画が上手いので読むのが辛いという事はありませんでした。 病人がいちばん大変なのは前提として、読んでていちばん印象強かったのは、主にお母さんのお世話をしていた瀧波先生のお姉さんです。だいぶマイルドに描かれていると思うのですが、正直「よくそれで生きているな」と思えるくらい壮絶。ストレスをイオンのメダルゲームで発散してるのが笑えるんですが、思う存分やってくれ、じゃないとお母さんより先に死んでしまう…!と心配になる。 読んだことでいちばん学びになったのは、よくドラマなどで死にそうなのに穏やかに会話をする描写がありますが、実際患者にはそんな余裕なんてないこと。笑 考えてみれば当たり前ですね。 あと、普段は全く関心がなくても、こういうときこそお金を払って何かしらのセラピーを受けるのも自分を守るために必要だということ。覚えておこうと思いました。