あらすじ中国科挙の受験時に起きた怪異を描いた「儒林外奇譚」 ゲーセンコミュニティに帰ってきた女と進歩しない男のやりとりを描く「闇童子ととろろ姫」 塾講師の苦悩を描いた表題作の「今日の授業は良い授業」等々、他3篇 2010~15年までにコミックビームへ掲載された読み切りを中心にした6篇の短編集。
世界で一番大変と言われる中国の官僚試験を描いた『儒林外奇譚』がまず素晴らしい。『みるせん』は将棋と自意識が複雑に絡み合った不思議な作品。強くなることだけが全てじゃないことを教えてくれる。『デバッガーノリコ』はゲーム会社時代を思い出した。表題作の『今日の授業は良い授業』は劣等生を教える塾講師が主人公の、心温まる話。 どの話も設定と目の付け所が良いなと思う。実体験が元になっているものも多いようだけど、人生の楽しみ方を知っているというか、何事にも面白みを見出すタイプなのだろう。