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郷愁を誘い、懐かしい昭和の匂いがする下町には、年齢不詳のヨッちゃん、大工の熊さん、こうるさいジィさんバァさんや、遊び好きな若い衆など、まるで落語の世界から抜け出たような人々が住んでいた。ある日、そんな下町のアパートの一室にコソ泥が忍び込む。だが、その部屋には借金取りから逃げ回る一文なしの住人がいて、盗みに入ったはずが、メシや酒をたかられてしまい…。
人情あふれる下町のとあるうなぎ屋は、半年前に先代が亡くなり、その息子が、職人の金さんに仕込まれて跡取りとしての修業を積んでいた。しかし、その息子こと若旦那は、自分はうなぎと相性が悪いと言いだし、ヨッちゃんに手伝いを頼んでしまう。開店以来生き延びている凶暴なうなぎに目をつけ、なんとかつかむことに成功したヨッちゃん。だが、逃げ出そうと暴れるうなぎに引っ張られて外に飛び出し…!?
芝居好きが嵩じて店を潰してしまい、今は市川曇々として一座で役者をつとめる、元小間物屋の倅。一座に入りたての頃は、客に愛想をふりまくあまり、舞台をめちゃくちゃにしてしまっていたらしい。そんな話を大工の熊さんから聞き、興味を持ったヨッちゃんは、熊さんと共に芝居を観に行くのだが…。
下町の銭湯、亀の湯での話題は、昨年の花見の席で満開の桜を一瞬にして枯木にした根岸の旦那のダミ声の歌。今年の花見は、ご隠居の提案で貸切の屋形船を仕立て、川面から桜を楽しもうというもの。根岸の旦那を置き去りにして、屋形船でいざ花見とシャレた一同だが、なにやら土手に人だかりが…？ 下町の住人が巻き起こす人情ドラマ最終巻！
