第二次世界大戦の終焉――。トラウマをかかえて生きる異眼の男、武装親衛隊特務曹長・マイヤーは、護衛の任務を受け、金髪碧眼の美しいローベルト中尉に出逢う。ある日、マイヤーはローベルトに1枚の偽造旅券を渡し国外逃亡をうながすが、「1人では生きていたくない」と、その場で旅券を破り捨てられてしまう。そうして始まった逃避行のさなか、マイヤーにいきなり服を脱がされたローベルトは「いやならやめろと命令すればいい」と言う彼を振りほどけず、身体を捧げてしまう。それ以来、部下と上官という身分を越え、お互いをむさぼらずにはいられなくなってしまうが…。ドイツ・ナチを舞台に、純愛と愛欲に翻弄される男たちを描く感動の長編グランドロマン第1弾!
「お別れだ、中尉殿。愛していたよ」特務曹長マイヤーは、ローベルト中尉を崖に追い詰め、撃った。彼を国外逃亡させるため一芝居うったのだ。そして、上官殺しの罪で捕われたマイヤーの前に、ローベルトの双子の兄・ノウエルが現れる。愛しいローベルトそっくりの容姿をもつ男に尋問され、心をかき乱されるマイヤー。一方、マイヤーの撃った空砲の衝撃でドナウ川に落ちたローベルトは、レフトアイと名乗るナゾの英国人に救われる。マイヤーの身を案じるローベルトは、彼の情報を得るためレフトアイに言われるまま身体を差し出す。そうして凌辱されながら、マイヤーとの甘い情事を思い出しているのだった。混沌とした時代に引き裂かれた2人に、再び愛しあえる日は来るのか…。長編グランドロマン「寂寞を棄て春を待ち」シリーズ第2弾!
「一目で、僕はまた恋をした――。たった1人の男に。何度も、何度でも」奇蹟の再会を果たした特務曹長・マイヤーとローベルト中尉は、離れていた2ヵ月の空白を埋めるかのように激しく愛しあう日々が続いていた。レフトアイに抱かれてから、ローベルトは悪魔のようにマイヤーを挑発するようになっていった。再び自由を求めて始まった逃避行だったが、情事の直後に、ローベルトが暗殺集団=影(シャッテン)に裸のまま捕らえられ檻につながれてしまう。またしても引き裂かれ、ドイツに連れ戻された2人の運命は?そして、第二次世界大戦の終結――。それぞれの欲望と愛が感動のフィナーレを迎える!禁断の長編グランドロマン「寂寞を棄て春を待ち」シリーズ最終巻!