あらすじ【誰にも言えない、淡い恋の物語】高校生の桜子は、自分の通う高校で教師をしている9つ上の兄、梗介に恋心を抱いていた。ある日、桜子は梗介が他の女性から告白されているところを目撃してしまい…。谷川史子が描く、ピュア・ラブストーリー! 【同時収録】ちはやぶるおくのほそみち/祭・長月/きみの夏にとびたい/早春に降る雪
短編集なのですが1本目と2本目が両方とも学校で先生をしている実の兄のことが好きな女の子が主人公の話だったので驚きました。しかし2本目がデビュー作でこれを描いた当時の谷川先生は高校生だったそう(若ッ!)。そして1本目は収録作の中では一番新しいもので「新しい話を思いつかなかったので(中略)デビュー作の完結編といったところです」とのこと。確かにそれを踏まえて読むと、2作目の方は兄に対する憧れを卒業した女の子がこれから本当の恋をするんだろうなと思えるようなラストになっていて、より深いドラマになっていました。もうこの時点で今の谷川先生に通じる作家性が出来上がってますね。