ある雨の降る夜、飯倉誠基は車で女をひきかけてしまう。幸い女に怪我はなかったものの、彼女は誠基を誰かと勘違いしているようだった。彼女の家も連絡先もわからず、濡れた体をどうにかするためラブホテルへと入るが、そこで流されるまま体を重ねてしまう…。だが、自分の勤める病院の院長の娘・沙羅との婚約が決まっていた誠基は、一夜の過ちなど忘れ去ろうとし…。そして迎えた結婚式当日。そこで名前のない香典を差し出した女は、紛れもなく、あの夜の女であった…。(夢狂乱)/ほか、ミステリアスな女性に翻弄される恋を描く、全5作品を収録した短編集。