ひょんなことからマルチタレント大河原蒼(おおかわら あお)の妻になってしまった村井優愛(むらい ゆあ)。彼のマネージャーである姉から双方メリットがあるとのことで『契約結婚』を提案されたのだった。あくまでもビジネス、ハウスキーパーみたいなものと説明され、丁度職を失ってしまった優愛にとっては断る理由も特になくそれを承諾する。契約結婚という偽りの夫婦となった二人だったが、蒼から「自分は女性恐怖症でもある」という秘密を打ち明けられる。優愛はそれを受け入れ、つかず離れずの結婚生活がスタートする。思っていたよりも快適な生活と、女性恐怖症でありながらも自分に優しく接してくれる蒼に優愛は時折ときめいてしまうこともあった。「この時間がもっと続けばいいのに――」しかし、これはビジネスの関係。絶対に叶わない相手であることも理解している優愛だったが、ついそう願ってしまうようになっていて……!?
初めて蒼の演技の練習に付き合うようになってから、食後を二人で過ごすようになっていた優愛。一緒にドラマや映画を見ていても、仕事に活かすことを考えて真剣な眼差しを向ける蒼の横顔に、優愛はつい見惚れてしまう。ある夜、蒼がどうやら落ち込んでいると気付いた優愛は彼を元気づけたいと部屋を訪れる。マルチタレントとして活動していく中でどうしても回避できない悩みに頭を抱えていた蒼を見て、優愛は必死で励ましの言葉を投げかける。そんな優愛の思いに沈んでいた蒼の気持ちも徐々に軽くなっていく。「抱きしめてもいい…?」そんな蒼の言葉を受け入れ、触れられる優愛だったが、いつもと違う蒼の優しくも激しい手付きに快感が押し寄せてきて――!?
蒼の初めての愛撫で全身に快楽が走った優愛。そんな彼女を見て、蒼は愛おしさを感じついキスをする。女性恐怖症が完全になくなった訳では無いが、優愛の優しさや体温を感じるうちに蒼の心は優愛だけを受け入れるようになっていた。優愛に対する思いが膨らんでいく一方で、蒼の脳裏に過るのは幼少期の思い出。母親と過ごした記憶はろくになく、愛情を感じることができなかった。それがキッカケで女性恐怖症が次第にひどくなり、仕事も難しいと悩んでいた時、優愛と出会ったのだった。優愛との生活が始まってから、蒼の中の何かが少しずつ良い方向になっていくのを感じていたが、優愛本人はあくまでも蒼との関係は「契約結婚」と言い聞かせていて、複雑な気持ちはお互い胸の奥に秘めたまま、二人の関係は少しずつ変化していく……!