あらすじ冴えない小説家が書いた覚えのない不思議な小説を巡って自意識と運命に翻弄されていく「小人の靴屋」。無法者で溢れた西部の酒場を舞台に、どこからかやってきた来訪者達が結託し、町を牛耳る男達との間で衝突を起こす「ブレーメンの音楽隊」。芸術を禁じた村を訪れた旅人が持ち込んだ本や音楽が、一人の少女の中にかつてない感情を湧き起こす「ハーメルンの笛吹き」。グリム童話を再構成した異色のメルヘン、ここに完結!
面白い試みだと思った。広く知られている童話がベースにはなっているものの、想像以上に大胆なアレンジ(笑)が施されているため、先の展開が読めない楽しさがある。個人的には、原作のストーリーを踏まえつつ、視点を変えることでまったく違う物語に変化した〈シンデレラ〉が特に面白かった。