「お前の声は魔物か?!」<br>文明開化の東京の街角。百八つの声を変幻自在に操る名人芸で、人気を集める辻芸人がいた。<br>「天才声音師 扇屋俊介」彼は幕末、どんな声も一度聞けばそっくり再現できる特異な才能で公儀に仕える隠密だった。祭りの夜、俊介はやくざに追われる謎の男に大金を渡され、依頼を受ける。「頼む、扇屋俊介!ある女の声をまねてくれ。そしてその声で、俺に抱かれてほしいんだ」<br><br>「声」で動乱の世を渡る、声音師俊介と相棒の少女乃江が出会う、幕末維新秘話ー。「港町猫町」「イーフィの植物図鑑」の奈々巻かなこ、単行本未収録の初期読み切りシリーズ!