あらすじ

あたし、シャチのことをもっと知りたい! 北海道で野生のシャチに逢ったかわずは、その姿に感銘を受ける。改めて、「シャチが好き」「シャチのことをもっと知りたい」という自分の気持ちを再確認したかわずは、これまで周りに流されるばかりだった自分の将来に、しっかりと真っ正面から向き合い始める。そんなタイミングで、神崎さんからシャチについて学べる大学のオープンキャンパスに誘われる。2人は期待に満ちて大学へと向かうが、そこで出会ったのは…!?
大海に響くコール 1巻

海の王者シャチ×王道青春・開幕!! 高校2年生の中井かわずは、好きなものや やりたい事もなく、日々漫然と過ごしていた。そんなある日、休日にたまたま訪れた水族館で、同じ学校の美少女・神崎さんと出会う。シャチの魅力をまっすぐな瞳で語る神崎さんにつられ、生まれて初めてシャチパフォーマンスをみたかわずは 大きな心のうねりを感じ…!?

大海に響くコール 2巻

あたし、シャチのことをもっと知りたい! 北海道で野生のシャチに逢ったかわずは、その姿に感銘を受ける。改めて、「シャチが好き」「シャチのことをもっと知りたい」という自分の気持ちを再確認したかわずは、これまで周りに流されるばかりだった自分の将来に、しっかりと真っ正面から向き合い始める。そんなタイミングで、神崎さんからシャチについて学べる大学のオープンキャンパスに誘われる。2人は期待に満ちて大学へと向かうが、そこで出会ったのは…!?

大海に響くコール

ああ、私の「好き」がそこにある #1巻応援

大海に響くコール 遊維
兎来栄寿
兎来栄寿

『ゲッサン』の読切でフレッシュな魅力を披露してくれていた遊維さんの、連載作品です。 テーマはずばり「シャチ」。 推し力士がいたり、推しVtuberがいたりと心から好きなものがはっきりしている友人たちに比べて、流されるまま・合わせるだけで特に自分だけの何かを持っていなかった女の子・かわず(通称ぴょこ)。そんなかわずが、成績優秀でモデルのスカウトも受ける美貌も併せ持つ神崎さんとお近づきになることで、神崎さんがこよなく愛するシャチの魅力に気付かされ、初めて心からの好きを得ていく物語です。 兎にも角にも、「好き」で駆動する物語って良いですよね。「好き」は何にも増して強くて素晴らしい感情です。本作は筆者がシャチが大好き、かつ新担当編集もシャチが大好きというところに立脚しているようで、作品全体からシャチへの深い愛が迸っているのを感じられます。 『七つの海のティコ』を観て育った身としてはシャチに対して親近感もあり。神崎さんやかわずほどの深愛ではないですが、シャチ、いいよね……という気持ちで読みました。 そして、マンガ自体の良さ。第1話のサブタイトルがバチっとハマる瞬間の気持ち良さであったり、第4話のタイトルを回収するシーンだったり、遊維さんの絵の魅力と演出が掛け合わさって胸踊るような描写がガンガン出てきます。 羅臼ではないですが、北海道の知床沖に船で出たときの雄大な自然に感動した瞬間を読んでいて思い出させてくれました。本当に地球や生命の偉大さを感じさせてくれますし、自然と涙も出てくるんですよね。 「本当に好きなものを見つける」というかわず物語として読んでも非常に良いですし、一方で神崎さんの抱える難しい感情もまたひとつ味わいを加えてくれます。神崎さんと同じような絶望を抱えたことがある人には刺さることでしょう。なお、私は言うまでもなく自らを強く貫きながら好きなシャチの前では破顔する聡明な黒髪ロングストレートの神崎さんがとても好みです。 読んでいて、心が洗われていくような素敵なお話です。シャチに興味がある人はもちろん、そうでない方にもお薦めです。