あらすじ

「俺もいつかこんなヌードを描きたい――」 幼少時に見た絵画、「魔女のヌード」に魅入られた高校生・小川波路(おがわはろ)。日々、独学でヌードを描く彼の前に現れたのは、「魔女のヌード」に描かれた女性に瓜二つの美女、神生伶だった。ハロは思わず、伶にヌードモデルになってほしいと頼みこむが…!? 目指すはヌードで藝大合格!! 肌色の青春劇、開幕!!
空をまとって 1巻

「俺もいつかこんなヌードを描きたい――」 幼少時に見た絵画、「魔女のヌード」に魅入られた高校生・小川波路(おがわはろ)。日々、独学でヌードを描く彼の前に現れたのは、「魔女のヌード」に描かれた女性に瓜二つの美女、神生伶だった。ハロは思わず、伶にヌードモデルになってほしいと頼みこむが…!? 目指すはヌードで藝大合格!! 肌色の青春劇、開幕!!

空をまとって 2巻

今ここにしかない“美”をつかまえろ――。 幼少時に見た絵画、「魔女のヌード」に魅入られたハロ。そんな「魔女のヌード」のモデルである神生伶がハロのヌードモデルになるために出した条件は、「ヌードを描いて東京藝大に合格する」事。藝大合格のために動き出したハロは美術予備校で天才と称される現役生・志貴風理とヌードのデッサン対決をする事になり…!?

空をまとって 3巻

己が個性を磨き上げろ―― 憧れの女性・神生伶との約束を果たすため「ヌードを描いて東京藝大に合格する」事を目指すハロはひょんな事からライバルの風理とデッサンコンクールで優劣を競う事に。実力の足りていない自分の勝機に悩むハロだが高知から来た謎の少女との出会いを機に「強烈な個性」を開花させていき――!?

空をまとって 4巻

ヌードは間違ってない――!! 新たな同志・我央と共に臨んだ、デッサンコンクール本番。これまでの特訓で伸ばした、自分だけの「個性」を武器にライバル・風理との勝負にハロが挑む! 3人それぞれの想いが交錯する中、描かれたデッサン。その講評の結果は…? そして特別ゲストとして講評の場に現れたのは――!?

空をまとって

女体の美の追究 #1巻応援

空をまとって 古味慎也
兎来栄寿
兎来栄寿

女体を最上に美しいものであると思う高校三年生の主人公が、理想のヌード画を描こうとする物語。 かつて桂正和さんの下でアシスタントをされていた古味慎也さんが描く内容として、これ以上ない強い納得感があります。かつて『I”s<アイズ>』や『電影少女』などで描かれた柔らかい女体の美しさや布地の質感に魅了された人は数多いと思いますが、そのDNAが確かに受け継がれていることは1話だけでも読めば言葉でなく心で伝わってきます。 もとよりデッサン力が高く女の子のかわいさに定評のあった古味慎也さんですが、「人生を変えるほどの魔的な裸婦画」という本作のコアの部分にその画力がふんだんに生かされていて説得力を生んでいます。こんなものに幼くして出逢ってしまったら、魅了されてしまったら、それはもう呪いでしかありません。しかし、その呪いが人生を駆動させる純粋で強力なエネルギーの源ともなっていきます。 「美しい、最高のヌードを描きたい」 というシンプルで強固な動機が根元にあることは、物語に自然に乗っていける要因となっています。 そんな彼を狂わせた「魔女」も非常に魅力的で、彼女との関係性も見所です。その他の脇役にもキャラが立っている人物が複数いて楽しめます。豪快に応援してくれるお母さん、とても好き。 1巻の範囲で出てくるエピソードだと、ある女の子の絵を完成させるシーンや「自分の手」をどちらが面白く描けるかという勝負が好きです。私自身も昔、学校で図画工作や美術の先生に習った気がしますが、小さなキャンバスに切り取られた部分の外に広がる無限性を感じられる絵画の面白さや素晴らしさが詰まっています。答えのない世界で見つけなければならない答え。果たして主人公は、そこへ辿り着くことができるのか。 ヌードのことを「空をまとう」と表現するタイトルもまた趣深くて好きです。最近の美術系作品の中でも、また違った切り口で存在感を放つ一作で、注目です。