あらすじ
▼第1話/怪奇版画男 ▼第2話/大人の版画 ▼第3話/鬼平版画帳 ▼第4話/天才版画本 ▼第5話/ハンガコハンガ ▼第6話/野菊の版画 ▼第7話/アストロ版画 ▼第8話/版画の雀士 ▼第9話/網走版画イチ ▼第10話/雪山版画 ▼第11話/版画が大将 ▼第12話/版画と黒 ▼第13話/チキチキ版画 ▼第14話/怪奇指紋男 ▼第15話/ピクニックat版画ングロック ▼第16話/フレンチ版画 ▼第17話/版画 2/1 ▼第18話/ウメ星版画 ▼第19話/左カーブ右カーブ版画家とおってストライク ▼第20話/怪奇版画少女 ●主な登場人物/版画男(神出鬼没にして正体不明。その性格凶暴なるも、木版画による年賀状・暑中見舞い・引っ越し通知等の普及に励む) ●本巻の特徴/本邦初の版画コミック。『ビッグコミックスピリッツ21』誌に連載され、コミック界に衝撃と称賛と同情の嵐を生んだ問題作。4色刷りのカラーページでは、1ページに4枚の版木が必要なので、たった4ページに16枚も彫らなければならないという、採算度外視のローテクぶりだ。単行本化に際しては本編はもちろんのこと、目次、奥付、はてはJASRACナンバー(音楽著作権協会の使用許可番号)にいたるまで、(ほぼ)100 %手彫り保証。バーコードリーダーで読めなくなるため、裏表紙のバーコードだけが版画に出来なかったのが、唯一の心残りとか。
90年代の雑誌『ビッグコミックスピリッツ21』誌に載っていた版画ギャグ漫画。作品の生まれた背景など、詳しい内容については、中野晴行さんのコラムで完璧に紹介されてますので、そちらをご覧ください。 https://www.bookbang.jp/article/540189 版画を描く漫画家といえば畑中純の「どんぐりと山猫」などもありますが、それらの作品はどちらかというと“絵本”に近い印象がありました。「怪奇版画男」の凄いところは、現代の漫画のコマ割りや、演出技法を細かい部分まで、版画で忠実に再現したところにあると思います。 紙版は、箱入りの装丁で、手触り感のあるコレクター欲をそそる本になってます。やはり版画ですから、紙でないと伝わらない魅力は確実にありますね。絶版なので古本で購入するしかないですが、それだと唐沢なをき先生の労力があまりにも報われないと思うので、お布施の意味を込めて電子書籍版でも購入を検討してみては如何でしょうか。