あらすじお寺にとって一番忙しいお盆の季節、檀家を何軒も回ってお経を上げる住職・英道(ひでみち)は、息子達の帰省を心待ちにする老婆・井上(いのうえ)の家に、お布施の入ったバッグを忘れてしまう。その後、バッグを取りに井上家へ行った英道は、電話で長男と次男から帰省できないと連絡が入り、すっかり落ち込む井上を気づかうのだが……!?困ったときは幸福寺に行きたくなる完結巻。
お寺さんを題材とした漫画はちょっと珍しくて、興味を持って読んでみました。住職さんの役目や跡取り問題、檀家さんや他のお寺さんとの付き合いの難しさなど、普段なかなか知ることのない世界を垣間見ることができて、期待以上に面白かったです。お寺さんがテーマとは言え、真面目でシリアスな作品ではなく、基本的にはユーモアと人情味溢れたストーリーなので、さらっと読めるも気に入りました。幸福寺の住職ファミリーのやり取りも可笑しくて、喧嘩もあるけれどお互いを理解してサポートし合う関係にほっこりしたり、周囲の人々へ暖かく手を差し伸べるシーンに思わずほろっとしたり、上手に読み手の気持ち満たしてしてくれる作品です。読み終えた後には、お寺さんの存在が身近に感じられました。全2巻ですが、ぜひ続きも描いて欲しいです。