霞ヶ関・法務省で起こった立てこもり事件――。死刑囚が無罪を訴え、数人の幹部を人質に立てこもっている。 警視庁に所属する交渉人の兼坂鴻一は、犯人説得のすえ、自らも人質となり、事件現場に潜入することに成功した。しかし、死刑を宣告されるほどの凶悪犯である悠木は、ひどく冷静で、駆け引きの主導権を握るため、鴻一に快楽の拷問を繰り返す。 そうして強制されるまま、鴻一は悠木の起こした殺人事件を調べ直すことになったのだが、そこに潜む残酷な陰謀は、鴻一の身も危険に晒し…。壮絶な心理戦ののち、お互いが手に入れた真実とは…。 地下オークションを暴く番外編『悦楽の限界(リミット)』大幅収録!