アイドルプロデュース・男の娘・オタクに優しいギャルごった煮の青春 #1巻応援

『ぽんこつポン子』、『おにでか!』の矢寺圭太による新作です。 高校のドルオタ研究部員である山田・杉森・河野の三人衆と、彼らがプロデュースを目論む女子を交えた春が青いコメディです。 何しろ、表紙に描かれているメインキャラクターたちが皆個性豊かなのが良いです。 部長の山田は、浪人して早稲田に入るので高校在学中は勉学よりも優先してアイドル研究部の活動(アイドルをプロデュースして学祭でライブをする)に専心すると決めているガチめのオタク。女子の些細な言動から「もしかして俺のことを好きなのか?」と勘違いできる、ある意味で幸せでピュアな男。 「女の子をプロデュースできないならかわいい顔をした男の子をプロデュースすればいいじゃない」とばかりに、無理やり女装させられる男子が杉森。彼が女装したときのかわいさに関しては特別気合を入れて描かれており注目です。クラスメイトにも「その子の名前教えて」、美形ギャルにも「顔面が強い!」と言われるほどで、本人も段々満更でもなくなっていくのがまた味がします。 坊主頭の河野は、全校の女子生徒412名をUR・SSR・SR・R・Nに格付けしその詳細をノートに克明に記録しているヤバいやつ。飽くなきスケベへの情熱を隠しません。でも、マンガを面白くするのはいつだってヤバいキャラクター。河野のような欲望と煩悩に振り切れたキャラのエネルギーが、笑いを巻き起こしていきます。 鯖戸クロエは河野ノートで全校に5人しかいないURのギャル。顔もスタイルも性格もノリも良く、オタクにも分け隔てなく接してくれる空想上の生物。すぐ写真を撮るし、すぐSNSに上げる今どきの子。派手な見た目に反して、意外と進路について堅実に考え予備校に通うなど努力しているところも高ポイント。 渡辺日香(にこ)、通称ニャコは河野ノートでSSR。ツリ目で八重歯で猫っぽい外見そのままに自由気ままでざっくばらん。しかし、料理が趣味という意外な一面があり、河野の考察によると恋愛には消極的である節も。個人的にはカラオケシーンが一押しです。 彼ら5人が中心となって織りなす物語は基本的にはドタバタコメディなのですが、周りがどんどん進んでいく中で停滞している自分に悩んだり、大人から見るとかつて持っていて今は失ってしまった輝きを持っていたり、たまに青春時代の本質を静かに突くようなシーンがあって「アオハル……」という感情を掻き立てられます。 キャラクターたちの掛け合いをずっと見ているだけで楽しいですし、その中でも少しずつ進展していくストーリーの先行きもとても楽しみです。 それにしても、略称の「ずっぽよ」がかわいくて声に出して読みたい略称2023暫定1位です。

兎来栄寿
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