あらすじ恋人・コウタロウへの想いを残したまま命を絶ったコハルは死後、コウタロウの想い人であるハルオミに憑依してしまい――。表題作『恋につきもの』を始め、感情が高ぶると身体から薔薇の棘が飛び出してしまう体質の女子高生を描いた『いばらのばら』、不安定な夫婦の抱える秘密が胸に迫る『豆腐の家』、コミックス『女の穴』収録の傑作『女の豚』のその後を描いた『村田克己54歳』、苦く淡く切ない百合エピソードを綴った『君ならで誰にか見せむ』など…ふみふみこ本領発揮の全9作品を網羅した傑作集。
豆腐の家を初めて読んだときに、凄い作家さんだなと思った記憶があります。愛と呪いにも通じそうなテーマで、最後に「そうだったのか…!」とびっくりする展開があります。こういうゾクッとするような話以外にも、可愛いカッパが尻子玉をねだったり、作者のネパール滞在エッセイだったり、「こういうのも良いんだよね…!」と唸ってしまう振り幅もすごいなと改めて思います。 芸大の学生と共同?制作するっていうのもあまりない試みですよね。