あらすじいまや生活の一部というよりも、江戸庶民文化のひとつのカテゴリーで語られるようになってしまった、銭湯。作者本人が銭湯に魅了され、通った18件の銭湯、しかも男子禁制の「女湯」の模様を、面白おかしくレポート。繊細なマンガと記事で構成された、銭湯エッセイマンガ。
こちらは東京に実在する銭湯・温泉を巡るコミックエッセイ風な一冊。登場人物は架空キャラですが、きちんとした情報と絵で丁寧な紹介がなされ、読み応えあり。 とにかく、絵がとても良い! 緻密なペン画は味があり、扉や巻末のパース図風イラスト、手描き地図など、コミックエッセイの楽しい部分を美しく。そして女性キャラの、低い頭身に柔らかい肉感……これが意外にも情緒を増す! 19もの店舗の紹介に、銭湯文化の豊かさと地元の人情を織り込む充実ぶり。例えば『ふろラン』に登場する二つの銭湯がこちらでも紹介されていますが、ああいった情緒を味わいたい方には、うってつけの一冊です。