誰もが知っている…はずなのに、誰も見たことがない童話集。甘いか?苦いか?怖いか?優しいか?それはあなた御自身で味わってお確かめください。●ヘンゼルとグレーテル…貧しさのために森に捨てられた兄妹。お菓子の匂いに引かれて辿り着いた家に住んでいたのは魔女ではなかった…? ●牡丹灯籠…官僚試験のために下宿している青年・喬生(きょうせい)に恋する少女・春春。彼の美しい想い人に嫉妬するが、ある日その女が病いで死んでしまう。悲しむ喬生を励ます春春。しかし彼を立ち直らせたのは別のものだった…。●砂漠の薔薇(ローズ・ド・サーブル)…とある裕福な国の王女は、容姿に自信が無い自分への求婚者たちを信じられずにいた。美しい盗賊に誘拐された彼女が見たものは? ●スイートホーム…太平洋戦争後の日本。家を焼かれ、1人進駐軍に身を売って生きる少女が出会ったのは、同じく家族を失った復員兵と戦災孤児たちだった。
東西の物語をアレンジした、かずはしとも童話集 第2弾。●ハーメルンの笛吹き男…記憶を失った少女・ロッテが辿り着いたのは水車が回る美しい村。少年ヤーコブによればねずみの害が悩みらしいが、退治をしてやろうと謎の男が現れる。ロッテはその顔に見覚えがあった…。●アンデルセン…誰もが知っている有名童話作家アンデルセン。しかし彼は変わり者と言われていた。家を持たず、ひとり世界を放浪する人生を案じた幼なじみのエドヴァーは、彼を夜の街へと誘い出す。●伊達政宗…奥州の覇者「独眼竜政宗」は、その権力を得るために「右目」と「母の愛」を差し出さねばならなかったのか? ●しあわせな王子…傲慢な国王に軟弱者と呆れられる王子カスパルは、血や争いが苦手だった。吟遊詩人に化けて城を抜け出し遊ぶうちに、牢の中の陽気な女囚ゼルマと知り合う。牢番の目を盗んで彼女に頼まれたラブレターを届けた先は、初めて見る城下の貧しい人々だった。