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ある日、とある離島に流れ着いた一隻の小舟。そこに乗っていたのは傷だらけのヤクザの男。島で雑貨店を営む祖母のもとに身を寄せる五月つばめは、東京に居場所が見つからずに島に帰ってきたばかりの元OL。つばめは、傷ついた流れ者を放っておけずに世話を焼く。どこにも居場所がない元OLと傷ついたヤクザの、離島で始める居場所探しの日々。
ある日、とある離島に流れ着いた一隻の小舟。そこに乗っていたのは傷だらけのヤクザの男。島で雑貨店を営む祖母のもとに身を寄せる五月つばめは、東京に居場所が見つからずに島に帰ってきたばかりの元OL。つばめは、傷ついた流れ者を放っておけずに世話を焼く。どこにも居場所がない元OLと傷ついたヤクザの、離島で始める居場所探しの日々。
モーニングゼロやちばてつや賞でその才能の片鱗を見せていた及川滲さんの待望の初連載、面白くない訳がなく! まず高い画力が非常に魅力的。離島を舞台に紡がれる上質のヒューマンドラマは1冊で心地良い読後感を醸成してくれます。 東京でOLをやっていたつばめの所にやってくるのは、明らかに堅気ではなさそうな顔に傷のある男。生来の性格により男を放っておけないつばめが彼と共に島で船を使って観光案内をしながら新たな生活を営んでいくストーリーとなっています。 荒天によって本来の予定が崩れたが故に、至高の景色に出逢えて「昨日が雨で良かった」と思い直す新婚カップルの話などは正に人生そのもの。 ままならず思い通りに行かないのも、想像もしなかった偶然によって最高の体験に遭うのも、すべて愛すべき人生の一幕。人と人が出逢い別れ、あるいは再会し、そうして紡がれていく縁や絆が織りなす物語の愛おしさたるや。 及川滲さんのこの先のご活躍にも大いに期待したいです。