あらすじ

鵙目隆之は、天狗会の若い組員と一緒にいたところを奇襲に遭い、マンションの一室に連れ込まれる。てっきり対立する関西系の組が仕掛けたのだと思ったのだが、誘拐・拉致を仕組んだのは鵙目の古くからのなじみである黒羽組の組長・黒羽斉彬だった。狭いマンションで鵙目に繰り返される屈辱的な行為は、十六年前、黒羽と鵙目と過ごした天山少年院の日々を思い出させた。あのころ胸にくすぶっていた黒羽に対する気持ち……。あらがいながらものその魅力に惹かれていく鵙目……。「隆之、恋をしようぜ、おれと」。長編ロマンが、いよいよ登場!
黒羽と鵙目・1

鵙目隆之は、天狗会の若い組員と一緒にいたところを奇襲に遭い、マンションの一室に連れ込まれる。てっきり対立する関西系の組が仕掛けたのだと思ったのだが、誘拐・拉致を仕組んだのは鵙目の古くからのなじみである黒羽組の組長・黒羽斉彬だった。狭いマンションで鵙目に繰り返される屈辱的な行為は、十六年前、黒羽と鵙目と過ごした天山少年院の日々を思い出させた。あのころ胸にくすぶっていた黒羽に対する気持ち……。あらがいながらものその魅力に惹かれていく鵙目……。「隆之、恋をしようぜ、おれと」。長編ロマンが、いよいよ登場!

黒羽と鵙目・2

鵙目隆之の最愛の姉が、よりにもよって包丁で鵙目を刺した因縁の中である麻酔科医師・前田の家で世話になることになった。黒羽斉彬は鵙目と前田の間に関係があるのではないかと疑い、いつにもまして鵙目に強く当たり散らし、なにやら奇妙な三角関係の様相に……!? そして、鵙目を慕う落ちこぼれ少年のマサルや鳩子たちも巻き込んで、黒羽と鵙目の関係は、さらに怪しく危険な方向へと展開していくのだった……。2人の高校時代を描く特別編入り、全4話収録の極道ロマンス第2弾!

黒羽と鵙目・3

黒羽組組長・黒羽斉彬との関係を最愛の姉が気づいていると知り、思っていた以上にショックを受け、打ちのめされてしまった鵙目隆之。そんなところへ黒羽の元恋人という女性が訪ねてきて、足の傷の癒えない黒羽に現夫の病院での治療を勧める。複雑な心境の鵙目を鳩子やマサル、妖しく想いを寄せる前田らがさらに悩ませるが、追い打ちを掛けるように、警察幹部の地位にある鳩子の父親の差し金か、男鹿という謎の刑事までが鵙目の前に現われる…。自分自身から逃げ出したくなった鵙目だが、その身体には原因不明の発疹が…!? おなじみ極道ロマンス第3弾!

黒羽と鵙目・4

新大久保駅近くで起きた殺人事件。殺されたアジア系犯罪組織の構成員が手に握っていたのは、鵙目の働くバーのマッチだった。最初に現場に到着した男鹿は、鳩子の父親・井上警視長が絡んでいると踏み、証拠を隠匿する。鵙目は男鹿に呼び出されそのことを伝えられるが、礼の代わりに男鹿の恋人役を演じるようにと頼まれる。なんだか自分の周りがにわかに複雑な様相を呈しはじめて……!? 他に、黒羽と鵙目の2人で行った信州旅行中に体験した、不思議な出来事を描いた「休暇」など、全4話収録の極道ロマンス、待望の第4弾!

黒羽と鵙目・5

鵙目の使いで池袋に行かされたマサルの兄、安藤が、その界隈を縄張りにする島本組というヤクザに拉致監禁される。そのことが、黒羽組にかかってきた電話によって斉彬の知るところとなる。一方、借りを作ったお礼代わりに新宿署の刑事・男鹿の恋人のフリをすることになった鵙目は、鳩子のアドバイスを受け、殺風景な男鹿のアパートを模様替えし、食事を作るなどして上手く恋人役をこなしていたのだが、なぜだかそのことも、どうやら斉彬の耳に入ったようで……。一転、窮地に陥った鵙目に対して斉彬が取った行動は!? 待望の極道ロマンス第5弾!

黒羽と鵙目・6

鵙目と男鹿が「架空の恋人同士」を演じている計画の最中、ある理由から男鹿は黒羽を喫茶店へと呼びだした。龍虎が一対で対面──そんなことになっているとは露知らぬ鵙目は、自分を避けて何日もアパートへ帰ってこない鳩子を気にかけていた。一方、マサルは黒羽の指示で情報屋の郡司という男に会いに行くが、郡司はマサカリを持ってうろつく胡乱な男に付きまとわれていた。そして横浜では、突然現れた祥の母親が、交通事故を装って前田の家に転がり込んでくる。そしてとうとう、中国人マフィアが鵙目のアパートを襲撃してきた…! 波乱含みの第6弾!

黒羽と鵙目・7

中国マフィアとの一件で警察に出向いた鵙目は、そこにいた猪口という刑事から、最近黒羽が都内のマンションで男の愛人を囲っているという話を聞かされる。落ち着かない気持ちの鵙目だったが、実は黒羽は、井上審議官の愛人の子で鳩子の異母兄にあたる一雉という男子学生を軟禁していたのだった。一方、男鹿は井上の下で働いている同期の長谷川に、一雉を黒羽組から連れ戻すよう要請される。同期とはいえまったくそりの合わない長谷川の指図に男鹿は……。そして、その長谷川は祥の母親・亜沙美とも接触を図っていて……!? それぞれの思惑が交錯する第7弾!

黒羽と鵙目・8

ヤミ金業者の社長・藤木たちに暴行を受けた亜沙美を目撃し、祥を匿う黒羽と鵙目。実は藤木と亜沙美はグルなのではないかという疑いを持つ。しかもさらに亜沙美を陰で操る人物が存在するということも浮上し……。藤木は鵙目の姉に接触してくるが、鵙目は逆に藤木のワケアリの弟。玲二に近づき、藤木の正体を探ろうとしてくる。一方黒羽は、男鹿から解放されマンションに戻ってきた一雉を鳩子に会わせようと画策する。だが一雉はただ帰ってきたわけではなく、父親からの指図を実行するという企みがあり……。新たな人物が係わり合い、新たな展開がスタートする。

黒羽と鵙目・9

鵙目が中国人マフィアに拉致された。行方を追う黒羽の元へ、一雉を保護した男鹿とヤミ金屋の藤木から、事件を指揮している男として警察官僚・長谷川の名前がもたらされる。黒羽は単身長谷川に近づき、力尽くで鵙目の行方を吐かせようとする。一方、鵙目は監禁場所から脱出を図ったが、その前に立ちふさがったのはかつての知り合いの男だった。「正気じゃねえな釘崎」「正気だよ。ただ、生きてる実感はねえ。おまえと殴り合ったあの時は、おれは生きてた……」新たな人間関係が絡み合い展開は佳境に入る!!