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夏休みの思い出・幼い日の秘められた初恋──■いつの間に、どれだけ想われていたのか、私──。社会人三年目の宮本沙那と大学三年生の高島秀──従姉弟の二人がこのような深い関係に陥ったのは、ほんの一ヶ月半前のことだった。八月の草いきれの中で、必死に鳴き叫ぶ蝉の声。ねっとりとした空気は、熱く照らす太陽のせい。燃え上がるのは、想いも同じ。幾度結ばれても離れられずに、情と欲、身体をぶつけ合う一組の男女がそこにいた。「秀──好き、すき……」けれども、彼自身を深く穿たれると、その言葉が衝動に合わせて口をついてしまう。喘いでいると、上から唇を押し付けられた。「──あ……っ!」沙那は自分に覆い被さる青年の肩に爪を立てながら、高まりの中、果てた。