あらすじ

サキと一緒に街を歩いていたシバは、今日も路上でケンカをしてしまう。相手を軽く倒してしまった後でボクシングジムに足を伸ばすが、そこでも日本ウェルター級1位の城島と一悶着を起こす。その日の夜更け、シバはジムからの帰り道で能面をかぶった男に突然襲われる。そして、男は蹴りの一撃で彼をノックアウトしてしまった…。
赤×黒(上)

サキと一緒に街を歩いていたシバは、今日も路上でケンカをしてしまう。相手を軽く倒してしまった後でボクシングジムに足を伸ばすが、そこでも日本ウェルター級1位の城島と一悶着を起こす。その日の夜更け、シバはジムからの帰り道で能面をかぶった男に突然襲われる。そして、男は蹴りの一撃で彼をノックアウトしてしまった…。

赤×黒(下)

真昼の校庭で、再び対決したシバと大石。しかしシバは前回と同じく、大石の蹴りで意識を失ってしまう。その直後、観戦していたサキが叫んだ。「負けないって言ったじゃない!?誰にも負けないって!」シバとサキの間に横たわる、1年前の残酷な過去が明らかにされる…。立ち上がり、再び大石と対峙するシバ。能楽師の大石の独特な間合いをつかむのに苦労するが…。

赤×黒

この世の中で私が美しいと思うもののひとつ、それがハイキック

赤×黒 上條淳士
マウナケア
マウナケア

この世の中で私が美しいと思うもののひとつ、それがハイキック。滑らかな動きとか、凄まじい破壊力とか、ではなくて、うまく言葉では書けないんですが、積み上げてきたものの浄化、カタルシスあるというか。そんなシーンを見るのがこの上もない幸せ。まあこれは自分でも何百回と練習したあげくに腰をブッ壊し、結局それを実体験として味わえなかった苦い過去があるからかもしれないんですが。それはさておきこの作品、緻密な絵柄に定評のある著者のアクションストーリーで、主人公・シバのライバルがハイキックの使い手という設定。まあすぐわかるのでばらしてしまいますがこの男は能楽師で、なぜかハイキックだけに固執する。その思い入れの強さにのめり込んでしまいました。見開きがうまくつながっていないのはちょっと残念ですが、何度も出てくる至高の蹴りに、ため息状態。どうせなら、主人公との対決に至るまでをもっと長くやってほしかったと思うほどです。お話の方がこれからのシバの歩む道を示唆して終わっているだけにねぇ。ただ私としてはこのハイキックへのこだわりが美しい絵柄で読めただけで満足です。