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十七歳の姿のまま六十七年の眠りから目覚めた、辺境伯令嬢エリノア。兄のイザークに生き写しの青年イヴァンから、家族や密かに慕っていた兄も亡くなったと聞き、衝撃を受ける。その夜、食物や水でも癒えぬ飢餓感に懊悩するエリノアの元に彼が現れ、「君は“黒い森”で倒れて以来、人の精気を糧にする身になった」と告げる。信じがたい話だったものの、彼の血を舐めると確かに飢餓感は消えた。もっと効率よく与えられる方法がもう一つある──イヴァンはそう言って、エリノアを強引に抱く。兄と瓜二つの彼が与える精気は甘美で、背徳感をおぼえつつ夜ごと溺れていくエリノア。しかし人外であることに苦しむエリノアの前に、不死者が現れ……。