1898年、25歳の若さで亡くなった異端の画家オーブリー・ビアズリー。『サロメ』の挿画で一躍有名となった彼が、死の間際まで描き続けた絵とは――。1897年、病が悪化したビアズリーはフランスの療養地で過ごすことになった。体も心も弱った彼が縋ったのはキリスト教だった。今まで罪深い絵を描いてきたことを悔い、信仰に身を捧げるようになる。しかし、因縁の男――オスカー・ワイルドが現れ、ビアズリーの消えかかっていたグロテスクな欲望が再び燃え上がる。死を背中に感じながらも、最期まで絵を描き続けたビアズリー。黒と白が織りなす“欲望”の物語、完結!