あらすじジャズ界の巨匠クリフォードが、飲んだくれの野坂の父つぁん(オサムのありがたくない友)の家にやってきた。なんと二人はニューヨークにいた頃の友達だったのだ。スランプに悩むクリフォードは、「あんたがガンガン、サックス吹く姿が見たいんや」というオサムの一言で、命をかけてステージに立つが…。
主人公はミュージシャン。サックスで身を立てようとする青年のお話です。主人公を含めた音楽に携わる者たちの置かれた状況をうまくとらえて、彼らの音楽に対するスタンスの違いでストーリーを構成。うまいだけのスタジオミュージシャン、最後のチャンスに賭けるベーシスト、親の七光りのアイドル…。埋もれるのかのし上がるのか、それは技術だけじゃないし心意気だけでもない。自分の才能を信じて道を進むその悲喜こもごもが伝わってきます。それで、夢の途中というより苦労の途中、で終わってしまうのが何とも切ない。このラスト、決してHAPPYじゃないと思うのですが…。苦労してる知り合いを見ているせいで、深読みしすぎてますかね。