すべての騎士譚は、城壁の中から始まるんじゃよ 騎士見習いとして学び始めてから二年―― 従騎士となったロサは、厳しい訓練の傍ら紋章や社交など、騎士の教養を学んでいた。ある日『錠の城』城主の嫡男ラケルタの他領への出立とその姉ウィオラの婚約話を耳にする。同じ年頃、同じ立場の二人の変化に、騎士として、「梯子の城」城主の娘として、心が揺れて……。そんな時、二年前姿を消した騎士ヒルンドーのその後がわかり――。騎士譚が語り継がれる限り、騎士は永遠に騎士であり続けられるのだ。騎士の誇りとその在り処を知る騎士見習い成長譚、最終幕。
表紙の美しさとあらすじが気になってためし読みしたところ、「これ嫌いな人居ないでしょ…!」っていう最高のやつでした。説得力のある細かな描写と解説、中世ヨーロッパ風世界の日常が柔らかい線で丁寧に緻密に描かれていてワクワクがとまらない…!! https://comic-gardo.com/episode/13933686331610129034 乙嫁語り、カイニスの金の鳥、月と金のシャングリラなど、ある時代の暮らしを丁寧に切り取った作品はそれだけでウットリと世界に浸ってしまいますが、これもまたそれらの作品に連なる素晴らしい作品でした。 物語は貴族の師弟で騎士を目指して下働きをしているロサくんが朝目覚めるところから始まります。 もうこのシーンが最高。ラピュタか世界名作劇場か…といった素晴らしい生活感。 ロサくんが暮らす高い塔の狭い1人部屋、馬房、騎馬訓練場へと次々に場所が移っていくのですが、途中に巻物(スクロール)っぽいコマや、アール・ヌーヴォーっぽい枠が登場し、日常で使われている道具や部屋についての解説が行われるのがとにかく素敵。 あとがきによると本作は「騎士(見習い)が主人公なのに、バトル無し日常漫画」とのこと。 も〜〜〜そういうの大好きです…!! そしてこの主人公のロサくんにはある大きな秘密があって、それがまた今後どう物語に関わってくるのか続きが楽しみです!