亡くなった父親の意志を継ぎ、立派な陶芸家になることを目標にする兄・夏夫と、歌手になることを夢見る妹の由紀。仲良し兄妹の二人は、床に伏しがちな母・華江と3人で暮らしていたが、ある日、無理をした華江が吐血し、病状が悪化してしまう…。そして、自分の死を覚悟した華江は、大富豪である実家に手紙を出し、仲の良い夏夫と由紀が一緒に暮らせるよう願うが…。※この電子書籍は発行当時の単行本を底本としております。読みにくい箇所が含まれている場合もございますので、あらかじめご了承ください。
さくら草…この花は真帆子にとって忘れることのできない花。薄紅色の花びらに今もひとりの少女の面影が浮かぶ。昨年の春、真帆子は有名女子校・K女学院を志望していた。期待と不安で胸が張り裂けそうな入学試験当日、隣の席に座ったのは、さくら草のような美しい少女だった。だが、試験用紙の文字が薄くて読めないという少女に助言した瞬間、試験官が…!!※この電子書籍は発行当時の単行本を底本としております。読みにくい箇所が含まれている場合もございますので、あらかじめご了承ください。
父親は亡く、母親も白血病で余命いくばくもない家庭の幼い姉妹、鮎子とミキ。母の看病と母の病を理解できない妹の世話を精いっぱいがんばっている鮎子の心は限界だった…。誰にも言えない張り詰めた毎日の鮎子。そんな鮎子が、丘の上の教会にいるシスター・アンジェラの優しい気持ちに触れた時…。涙と感動の物語!!※この電子書籍は発行当時の単行本を底本としております。読みにくい箇所が含まれている場合もございますので、あらかじめご了承ください。
裏通りにある小さな洋裁店・サルビアは、センスの良いデザインと親切な仕立てで評判の店で、マダム・デザイナー・お針子を一人でこなしているリコの母親が営んでいた。ある晩、そんな母が浮かない顔で寄合いから帰って来た。ファッションショウを組合で開催するのだが、うちにはモデルを雇うお金がなく、断念せざるを得ないと言う…。その話をリコから聞いた級友たちは…!?※この電子書籍は発行当時の単行本を底本としております。読みにくい箇所が含まれている場合もございますので、あらかじめご了承ください。
美術系の短大を卒業し、大手商社のインテリアショールームで働く23歳のOL・桂木夏生。彼女の考える理想の女性の生き方とは、週3回の契約社員で主婦でもあるインテリア・コーディネーター、加瀬邦子のような生き方であった。しかし、設計事務所の所長で、設計技師の桐村崇二と不倫関係にある夏生は、そんな生き方とは程遠く、実りのない愛に疲れていた。ある日、桐村の声を聞きたいと電話した夏生だが、出たのは彼の妻で…。