スペインきっての名家の出であり、知らぬ者のない大実業家ラファエル‐ルイス・カステナダは悪夢のような光景を目にして凍りついた。夢みるような瞳、豊かに波打つ黒髪、間違いない、彼女は親友アンジェリーナが望まぬ妊娠の末にイギリスへ養女に出したマグダレーナだ。純真そうな態度を装って本家の子供の洗礼式にやって来るなんていったいどういうつもりなんだ。彼女を排除しなくてはならない、たとえどんなに恨まれようと、彼女を汚すことになったとしても…!
両家の過去を君が償うなんて涙ぐましい話じゃないか。だが僕が同情するなんて、愚かな期待はしないほうがいい――亡き兄の会社を立て直すため<ツァネッリ商業銀行>頭取ロレンツォを訪ねたルーシー。だが過去の忌わしい出来事から彼女の兄を恨むロレンツォは聞く耳をもたず、切羽詰まったルーシーはついなんでもやると言ってしまった。彼がその言葉を聞き逃すはずもない。強引な口づけのあとに待っていたのは、従業員の生活を盾にとられた甘美な復讐の愛人契約だった!
この舞台が終わったら、僕との契約結婚にサインしてもらう――イタリア社交界のセレブが集まる華やかな慈善コンサート。若き富豪ファビアン・モリッツォーニが催す音楽イベントのスタッフとして、ローラはオペラ発祥の地トスカーナにやって来た。1流のスタッフと美しい音楽に囲まれ、忙しいながらも充実した日々を過ごすローラ。そんな彼女を値踏みするように見ていたファビアンはある日、冷たい声音はそのままに、驚くべき契約をもちかけてきた!
ジェシカはかつて、ギリシャの大富豪カルロと、お互いにひかれあっていた。しかし、彼の情熱を恐れた彼女は優しい婚約者を選ぶ。「ジェシカ…君を絶対に許さない。いつの日か…復讐してやる」6年後、未亡人となったジェシカはカルロの会社で働く父の横領の罪を知り、謝罪のためカルロのもとを訪ねるが!?
明るく華やかで誰にでも愛された双子の妹。彼女は船舶王レイフ・メディチとの息子を遺しこの世を去ってしまった。あれから3年、二コールの目の前にはこの世のものとは思えないほどゴージャスな男性が怒りに震え立っている。初めて見るメディチ家の男――妹が密かに産んだ子供の存在を初めて知った彼は、息子を自分の手中に収めるためやって来たのだ。噂に違わぬ傲慢な口調で彼は言い放つ。息子を育てるため仕事を辞め、マイアミで家族として暮らすようにと…。
NYの高級アパートメント<パークアベニュー721>に住むジュリアは、カフェで出会った富豪マックスと魔法のような一夜を過ごし、彼の子を宿してしまう。しかし、思いきって妊娠を告白しても彼は「自分の子であるはずがない」の一点張り。あの夜には特別な意味があると感じたのは自分だけだったのかと落胆するジュリア。そんな折、差出人のない1通の手紙が届く。「妊娠を世間にバラされたくなければ、100万ドル用意しろ」突然の脅迫状にジュリアは息をのんだ…!
ニューヨークで記者として働くニコールのもとに、突然の依頼が舞い込んだ。祖国キャルドニアのランド王子のため、各国の姫君や令嬢の中から花嫁を探せというのだ。保守的な祖国に対する反発をおさえ、仕事をこなしていたニコールだったが、王子の意外な素顔に接するうち、叶うはずのない恋に落ちてしまい!?収録作品:王子の花嫁
アメリカの石油王の令嬢ヴァーダは、顔も知らない英国の公爵に嫁ぐため海を渡った。けれど、花嫁衣装を仕立てるために立ち寄ったパリで、記者を名乗る、知的で高潔な雰囲気の青年ピエールと出会う。身分を偽ったまま、ヴァーダはピエールに許されぬ恋をしてしまうが、彼には大きな秘密があって…!?
ニューヨークは、莫大な遺産を相続した、若くハンサムな実業家・ディーズの話題で持ちきりだった。彼に密着取材をするよう命じられた新聞記者のベイブは、偽名を使って会ううちに、孤独を秘めた彼の瞳に、思わず惹かれそうになってしまう。仕事と恋のせつない板ばさみの結末は――!?
両親に政略結婚をしいられ、家を飛び出したケイト。逃げこんだ先の人里はなれた農場で、隠れるように住んでいる男性・ブレイクと出会う。彼が婚約者のふりをしてケイトを守ってくれるが、結婚式当日、大勢のマスコミがおしかけてきて…。実は彼の正体は…!?