せわしい日常にほっとひといきつける物語や心動かされるドラマを多数手がけている福田素子が、小児科医・せつ子の奮闘を描く。轟せつ子は東京・亀戸の小さな小児科、轟医院に務める美人妻女医。子どもがいず、家事に協力的な夫を持つせつ子は、患者の親から言われたひとことが気になって……。何となく過ごす日常に、ささやかな幸せを感じるせつ子を通して描かれる良質な人間ドラマを無料でお届け。
心温まるエピソードや、せわしない日常に一服の清涼剤となるような作品を発表している福田素子が手がけた未単行本作品を電子書籍化。花島五月(はなじま・さつき)は夜間の定時制高校、若葉高等学校で教壇に立っている。かつて全日制で教えていた五月には、そのとき救えなかった生徒がいた。辛い記憶から逃れるように一時は教師を辞していたが、ガンが転移しすべての病巣が取り除けないことを知ったとき、改めて教壇に立つ決意を固めた。生徒と正面から向き合う五月の姿を通して学ぶことの意味を問う「星たちの学校」、町の小さなパン屋を営む父が、ある日、脳梗塞で倒れ、10年以上意識が戻らない状態になった。いつか意識が戻ったときのため、母と二人でパン屋を続けることを決めた真澄だったが……。意識の戻らない父と、その家族の葛藤を描いた「あなたがいること」の2編を収録。
リラクゼーションサロン「猫の手ハウス」の店主・神山未弥(かみやま・みや)は、月に数日、普通の人には見えない、その人の“前世人”が見え、その言葉が聞こえる。何のためにこんな力があるのか、疑問に思う未弥だったが、「やるべき仕事」がある、と未弥に寄り添う“前世人”は言う。はたして未弥の「やるべき仕事」とは? 生きることが少し楽になる福田素子の包容感あふれる物語。
出産だけじゃない!! 体も心も幸せになるために、女性による女性のための森下レディースクリニック、開院!! 「女なんてつまんない」そんな言葉はゴミ箱に。私は私が大好きだから。私、森下光子、27歳。つい先日「森下レディースクリニック」を開業したばかり。母は祖母の助産院を産婦人科医院として開業した人で、私にもそのあとを――と期待していたようだけど、私はそれを蹴って独立開業した。おかげで20代というのに分不相応な借金王。ま、親の土地に間借りだけど。私はひどい生理痛持ちだった。私は自宅が病院だったから母さんに診てもらっていた。じゃなければ産婦人科ってドアを開けにくかったと思う。私は産むためがメインじゃない女の病院を作りたいの。――カルテ1「性感染症」、カルテ2「生理痛」収録。
3歳のとき筋萎縮と筋力低下が進行していく難病・筋ジストロフィーと診断された早野香寿代さん。「難病で何歳まで生きられるか分からない、だいたい20歳までの命……」と医師に告げられながらも、50歳を超えたいまでも元気な姿を見せてる。「奇跡の女」と言われる早野さんに、マンガ家・福田素子が「死」について問う。筋ジストロフィーと診断され、父母よりも長くない命と思い続けてきた早野さんが、母の死、父の死を通して感じたこととは? また、本人が46歳のときに遭遇した交通事故のエピソードなど、誰よりも「死」を身近に感じてきた早野さんの口から明かされる死生観とは? 生きることに漠然とした不安を感じるすべての人に捧げます。
子煩悩な両親のもとに生まれ、優しい二人の姉に囲まれて幸せな香寿代。しかし、歩きはじめたのが1歳を過ぎた頃で、その歩き方もどこかおかしいと母親は心配する。そして、はしかにかかった直後、香寿代は歩けなくなってしまった。絶対に治してみせると誓う父親だが、医師の診断は筋肉が萎縮していくという難病、進行性筋ジストロフィー症だった…。愛情あふれる家族を描いた感動巨編!!
『空への手紙』『きりんが丘のココロ屋』など、丹念な人物描写で人と人との心の交流を描く福田素子の心を動かす感動コミック。26歳の紀代子は、23歳の立川と結婚した。周りに気を遣うことの多かった紀代子にとって、立川は、会ってすぐのときからずっと前から側にいた人みたいに感じ、単純で嘘がつけない人柄に惹かれていった。2度の流産の末、3人の子どもを授かる。紀代子は愛する夫と3人の子どもと幸せな日々を過ごしていたのだが、ある日、乳がんであることが分かり……。表題作『きよちゃんは風になった』のほか、『翼の行方』を収録。
イギリスの小さな町で暮らすフィオナは、事故で亡くなった両親が残した小さなパン屋を1人で営んでいる。幸せは1人だと1人分、他人の幸せは掛け算になると教えられて育ったフィオナは、誰かが幸せになる事がとても幸せだと考えていた。そんなある日、フィオナの店の前に泥まみれの男性が倒れていた。当然彼を助けるフィオナだったが、彼にはとんでもない秘密があった…!?
その美しい容姿から、身に覚えのない恋の噂が絶えないトップモデルのメアリー。ある日パーティの帰りに彼女をリムジンの中に突然引きこんだのは、ハンサムだが傲慢な王族、シーク・リドワーンだった。彼は、妹の婚約者マシューとメアリーとの仲を疑っており、「マシューと別れて、私の愛人になれ」と迫ってきて…!?
婚姻届、たった0.数ミリの厚さ…。仕事が終わって一緒にいられる時間が少しでも欲しくて同居を始めた。毎日愛し合って、時々ケンカして、ずっとそうだと思っていた。婚姻届けにサインするのだって、蜜月な時をずっと続ける約束だって思ってた。たった0.数ミリの厚さ。何も変わらないと思っていた。なのに…。「結婚して日が経つにつれて愛情が薄らいで行く感じなのよ、彼。なんだか疲れて帰って来る日も増えて、Hだってね…。しかも極めつけが仕事を変えるなんて言い出したのよっ!」「転職?」「今のスタジオミュージシャンの仕事は不安定だから安定した仕事に変わろうと思ってるって」「まあっ意外に責任感が強かったんだ」紙切れにサインしただけで変わるの!?
新婚1カ月目のある日、帰宅する夫を出迎える新妻に待っていたのは「今日さ――、会社辞めてきちゃった」え~。人材派遣会社に籍を置いて会社を巡ること数10社。自慢じゃないけど人を見る目は育てたつもり。その自慢の目がとらえて離さなかったのが、最後の勤め先で見つけた彼――。そして今は私の夫。いわゆるひとつのエリートってやつだったかも知れないけど、ちっとも気取ってなくって、絶対自信の選択だと思ったのに――。ある日、夫がプッツンときてしまった――!! 大手商社の課長職だったのに、新婚1カ月目で突然退職(それもニコニコと)。「ストレスが原因かも。ううん、でももっと他に理由が…。それに妙に明るいのも不気味…いったいどうしちゃったの」
小さな教会で、あの耳慣れた誓いの言葉を聞きながら、ああ、私はこの人とこれからずっと一緒に年を取ってゆくんだってうなずいた。…あっという間にもうじき6回目の結婚記念日がやって来る。私達は自分達が思う以上に家庭が楽しくて子供が可愛くて…。でも本当に幸せだった。そんなある日、最近体の不調を感じていた卓が病院で検査すると、重症筋無力症と診断された!? 1人悩んだ卓は、病気が重くなる前に妻子に別れをと、嘘をついて離婚届を妻の前に差し出した。
「20歳までしか生きられない」――1歳の時、進行性で治る見込みのない難病“筋ジストロフィー”を発症し、20歳まで生きられないと医師に宣告された早野香寿代(はやの・かずよ)。「いつ死ぬんだろう」という恐怖と「その日が来る前に死のう」とあきらめにも似た感情が襲うなか、自分で自分のいのちを断つ怖さと、自殺した後の母への思いが彼女を死に走らせなかった。そして「このままでは生き地獄だ」という遺書を残して自殺した中学2年生への思いが「もてあそばないで」という詩に結実する。いじめられる方もいじめる方もいのちをもてあそばないでほしい――彼女の詩に込めた思いは数多の共感を生んでいく。早野香寿代の創作した詩の内容をエッセイにし、漫画化したシリーズ第1弾!!
みごとな茶髪におまけにピアスまで……。臨時の保健の先生として赴任してきた中里市子の姿に先生も生徒もびっくり仰天。市子自身は「大人ですから自分の格好くらい自分の責任で決めます」と涼しい顔。そんないっちゃんが、困り顔の大人も子供も癒します!!いっちゃんが保健の先生となったことで、保健室は大盛況。その中に、保健室さぼりで有名な男の子も。その子の担任は“甘やかすな”と言うけれど、いっちゃんにはサボっているようには見えなくて……。
女性患者が病気よりも心に抱えている重いもの……その押し潰されるような苦しみから救いたい!高橋素子が描く感動のメディカル・ストーリー。多額の借金を背負い、南青山のビルの一室に女性のためのクリニックを開設した平木麻子(ひらき・あさこ)。開業したものの、患者は月数名、用意した運転資金が尽きることを危惧した麻子は営業を始める。なかなか成果があがらないが、ついに営業した近都百貨店から、大野咲子(おおの・さきこ)が、麻子の元を訪ねてきた。咲子は体型の変化、強くなった疲労感、頭痛と吐き気、そして止まった生理を訴えるのだが、麻子には咲子がずっと何かに怒っているように感じられた……。表題作の他、妊娠をめぐる立場の違う医師の姿を描いた「潮の満ちを待って」を収録。
さまざまな家族の姿を感動的に描くヒューマンドラマ。郷里を捨て上京した山崎咲実(やまざき・さくみ)は、絵本作家の夢をあきらめOLとなり、社内不倫の末に妊娠中絶、会社を追われてしまう。絶望の淵に立たされた咲実は自殺を考えるが、夜が更けても公園に残っている幼い兄妹・裕也(ゆうや)とミカが気になり声をかける。帰る家がないと言い、お腹をすかせていた2人に優しく接する咲実に、裕也は「おかあさんになって」と哀願する。動揺する咲実だったが、裕也の瞳の中に自分と同じ絶望を感じとり……!?表題作他、雑誌やテレビの中の“幸せな家庭”に憧れ、それを“お手本”に生きてきた女性が、本当の“幸せ”を掴むまでを描いた「幸せカタログ」など4編を収録。“家族”をテーマに、著者の優しい視点が温かい連作集。
小児科医を目指す内村せつ子は、医大を卒業し国家試験を通過したものの、大学病院に残りどんな医師になるかを決めかねていた。そんなとき、大学病院での子供達の診療を行うせつ子の姿を見た「コドモのおいしゃとどろき小児医院」院長・轟大五郎が、「君、うちの病院で働かんかね?」と声をかける。最新の医療技術や研究にかかわる大学病院での医療は刺激的でやりがいもある反面、自分のいる場所はここじゃないかもと感じていたせつ子は、大五郎の誘いに即答し、これまでとは全く異なる環境で、“身近な医療”を目指し、子供とその親を相手に悪戦苦闘の日々を送ることになるが……。せつ子が小児科医を目指すきっかけとなった外伝「ちいさな約束」を収録した、元気と感動のウーマン・ドクター・ストーリー第1弾!!
ごくフツーのOL林原裕美さんは、24歳のお誕生祝いにおばさまから1枚のお見合い写真をいただいた!好奇心も手伝ってひやかし半分でお見合いしたら、一目で恋に落ち、とんとん拍子で3ヶ月後に結婚。お見合いだけど、ちゃんと愛し合って結婚したふたりは立派な新婚さん。フツーの新婚夫婦生活を目指して努力と根性!ビギナー男女のほのぼのラブ・コメディ!表題作ほか、4編を収録。
美女と野獣!?いえいえ、結ばれるべくして出逢った2人なんです!!中規模製薬会社に勤めるずんぐりむっくりなサラリーマン、大石太助(おおいし・たすけ)は“超お人好し”で“超愛妻家”。その妻である穂麦(ほむぎ)は美女で才媛、小さな診療所の女医でありながら藤堂財団会長の孫娘!大食い競争が馴れ初めの2人は、祭りの露店食べつくしに挑戦するが……。家柄の違いを乗り越えて結婚した2人の愛情いっぱい幸せいっぱいハートフルコメディ第1弾!
ウォルトン財団会長の孫息子・ラリーは、ある日突然祖父から奇妙な事を言われる。ベビーシッターのドナ・グリーンから本当に欲しいものを聞き出し、それを彼女に渡す。それができたら個人資産を全て譲るというのだ。本気で恋愛などしたらろくな事にならないと、恋愛をゲームとして捉えているラリー。こんな美味しいゲームは無いと絶対の自信を持ってドナに近づくラリーだが、ドナはラリーが有名人である事さえ知らなかった。天然がつく程のお人好しで天真爛漫なドナに翻弄されるラリー。次々と罠を仕掛けるが、ことごとくドナにひっくり返されてしまう。ドナの欲しいものを聞き出す事に本気になるラリー。とても面白くて難解なゲームを始めたと不敵な笑みを…!?
あなたは“結婚”にどんなイメージを持っていますか?憧れ、夢、それとも厳しい現実!?“結婚”を巡る心温まるエピソードを綴った福田素子の連作集、第1弾。屋上にいた優秀な営業部員でプレイボーイの山崎達樹(やまざき・たつき)は、総務の「素敵なお局様」と言われる小川由宇(おがわ・ゆう)が、キャンプ用コンロと弁当のフタを使って、まるでマジックショーでも実演するかのように、とても美味しそうな丼を作り上げる姿を目撃する。あの丼が食べたくてたまらない山崎は、翌日、総務課を訪ね、キッチンレストランを持ちたいという夢を持つ由宇のモニターを買って出るが……。「思い出国のキッチン」のほか、好きだと思った瞬間から、見るもの聞くものすべて彼氏につながってしまう、“重い愛”を持つ女性・浅田未和子(あさだ・みわこ)の“結婚”を描いた「恋愛ストップマーク」など3編を収録。
英国令嬢のカニーダは冷徹なソーマック公爵に父母の復讐をする為、フランスへ渡った。サーカス芸人になりすまし、公爵の弱みをさぐろうと近づく。だが、公爵はドキッとするほど魅力的だった。カニーダは危険な相手と知りながら、情熱的なキスを交わしてしまう。あの人は復讐すべき相手なのに恋に落ちるなんて…!!
19世紀、花の都パリ。伯爵令嬢のヨーラは父の遺言で婚約者が決められた。社交界で危険なプレイボーイと悪名高きモントルー侯爵。顔も知らない相手との愛の無い結婚に反発するヨーラは、彼を見極めるため身分を偽り花柳界の女性として侯爵に近づく。だが、噂とは違う知的で紳士的な侯爵と初めての恋に落ちてしまい!?
父を亡くした貴族の令嬢ミーナ。母を元気づけるため姉と共に、公爵のパーティへ出かける。とある事情でミーナは母のコンパニオンと身分を偽り、公爵の屋敷に滞在する事になった。美しい薔薇の咲き誇る月夜の庭園。ミーナは謎めいたハンサムな男性リンドンと出会い、秘密の恋に落ちてしまう。やがて彼の意外な正体が明かされて…!?