原作が伝説の芸妓と呼ばれた方の手記なんですが、その方が勝新太郎と交際されていたことがあるらしく(作中に名前は出てこないのですがWikipediaを読んでたら知ってしまった。有名なのかも…?)、読み始めたきっかけは「大和和紀先生の美しい絵で舞妓さんの話が読めるなんて最高じゃん!」だったのですが「なかなか別れてくれない奥さんって…そういうこと?!」など、違うところで夢中になってしまう場面もありました(笑)。 とはいえ舞妓さんや芸妓さんの日常からお座敷でのプロフェッショナルな仕事ぶり、そして彼女たちを支えている裏方の人々のエピソードまで盛りだくさんで、一般人には敷居の高い祇園の世界を知ることが出来て勉強になりました。
大和和紀先生の絵ってゴージャスなのに可愛らしくって令和になっても変わらず憧れさせてくれる魅力があります。そんな先生が千年前から愛されている名作「源氏物語」を漫画化してくれているなんて最高としか言いようがありませんね。私も寝ても覚めても光源氏のことしか考えられないほど夢中になって読んでしまいました。 結構ゲスいこともしてるけどこんな絶世の美男に愛されるなら大抵のことは許すと思ったり、最愛の人である紫の上の死期を早めたのはやっぱり光源氏の浮気心のせいだから許せんとも思ったり、心が揺れまくりました。こうやってみんな「源氏物語」にハマってしまうんだなぁ…。 ただ今回初めて読んでみて後半から始まる光源氏が40歳を超えてからの話もすっごく面白いんだなってことを知りました。生まれた時からイケメンの光源氏も年を取ってからは若い人に嫉妬したり恋愛で憂き目を見ていたなんて人間らしくって新鮮です。 1コマ1コマが美しすぎて読み飛ばせないので描くのも相当大変だったはずと思っていましたが、読み終わってから大和和紀先生のインタビューを検索しまくってたら「私は描くの早い方なのよ」とおっしゃってるのを発見して驚きました。やっぱりレジェンド作家と呼ばれる方々って普通じゃないですね!才能がすごい!
袴を着て、長い髪をなびかせて、自転車に乗っている…「はいからさんが通る」といえば主人公の花村紅緒のこんなイメージが浮かぶと思いますが、実はこの姿の紅緒は2巻までしか登場しません。物語の大半はボブヘアーで洋装なんです。それというのも紅緒は職業婦人として出版社で働くからなんですね。 子供の頃にNHK衛星アニメ劇場で再放送を観たおぼろげな記憶しかなかったので、改めて原作を読んで「こんな話だったのか…!」と驚いた点がたくさんありました。めちゃくちゃギャグが多いし(笑)!!なにより大人目線で読んでみると大和和紀先生は少尉よりも編集長の冬星さんの方がどうやら好みっぽいぞ…というのがヒシヒシと伝わってきた(笑)。 でも、やっぱり「はいからさんが通る」の魅力は、紅緒さんと少尉が両想いなのに結ばれないもどかしさと、どんなことがあっても少尉を信じる紅緒の一途な強さですね。すべての少女漫画に流れる血脈がここにある…!!と思いました。
元名芸妓であり、現在は作家としてもご活躍されている岩崎峰子さんの実話。マンガは「はいからさんが通る」の大和和紀先生が描いてます。 3歳の時に始めて会った置屋の主人に見染められたという後の舞妓、咲也。見染められたご本人もすごいですが、そんな小さな子を見染めた置屋の主人がまた凄い審美眼の持ち主だった事に驚きました。 京都を舞台に繰り広げられる舞妓の世界で何年も売り上げナンバーワンとして活躍、100人に1人と言われた咲也の成長する過程や花街の様子が和紀先生の素晴らしい絵で蘇ります。 芸妓の世界というのは殆どの人には未知の世界ですが、とても興味深い日本文化の世界です。この作品ではマンガを楽しむだけではなく、日本の伝統文化について詳しく知る事が出来るという大きな付加価値が有ると思います。
平安女流文学の「源氏物語」を漫画化した名作です。単純に漫画化したという以上に、美しく活き活きと平安時代の恋愛模様が描かれていて素晴らしいです。はじめて読んだのは小学生の頃でしたが、大人になってから、また古典で読んだ後では、読み返すたびに違った視点で読むことができておすすめの漫画です。
テレビにも映画にもなった大和和紀先生の代表作の一つ、笑い有り、感動有り、ハチャメチャで元気な女の子、花村紅緒とイケメン少尉、伊集院忍の大正時代のラブストーリー大作です。この時代にこんな女の子、もし現実に居たらきっと生き辛かったと思います。でも紅緒はそんな時代でも負けない明るさと強さを持っています。そんな型破りなはいからさんに忍も伊集院家の人達も惹かれて行きます。紅緒は生まれた時から忍の許嫁。それが気に入らない紅緒は忍に嫌われようと頑張りますが、実は初対面から忍が気になっていて、忍の方も元気な紅緒に好感を持っていました。生まれた時から決められた相手をお互い本気で好きになるなんて本当に素敵な運命です。やりたい事が出来ない時代で特に女性は大変だったと思いますが、きっと紅緒の様に自分で切り開いて行く人もいたでしょう。自分も大正時代にスリップした気分になれるぐらい物語に引き込まれてしまいます。また所々に書かれている大和和紀先生のちょっとしたギャグがとても笑えるのです。泣ける感動シーンがあるかと思えば、思わず声をあげて笑ってしまうシーンも有りとにかく面白いのです。この時代が好きな人にはもちろんお勧めですが、マンガが好きな方には一度は読んで欲しい作品です。
婦人解放運動が盛んな時代を舞台にした大正ロマン少女漫画です。 華やかな容姿と言葉遣いで、女性がこれからの世の中でどういう生き方をすべきなのか考えさせられます。アグレッシブに生きようとする時代にふさわしく、困難がありながらも前向きに努力するヒロインの姿が美しい。ぜひ、女性に一度読んでいただきたい作品です。
高校の頃いかにも漫画は馬鹿のよむものだ、とでもいいたげな先生が不意に「あさきゆめみしはいいですよ、登場人物の顔が全員一緒に見えますが」と紹介したことから、とても印象に残ってる作品。 実際に源氏物語の話の内容がどんな参考書よりもよくわかる。それだけでなく、古典常識もつく優れもの。大和由紀なりの解釈をされている箇所が多いところが問題視されることもあるが、古典に興味を持つきっかけになることを考えれば問題ない。ぜひ一読すべき。
はいからさんが通るを全巻コンプリしたいのですが、古本屋でなかなか見つからない。いまだからこそ、大人買いをしたいおじさんです。
原作が伝説の芸妓と呼ばれた方の手記なんですが、その方が勝新太郎と交際されていたことがあるらしく(作中に名前は出てこないのですがWikipediaを読んでたら知ってしまった。有名なのかも…?)、読み始めたきっかけは「大和和紀先生の美しい絵で舞妓さんの話が読めるなんて最高じゃん!」だったのですが「なかなか別れてくれない奥さんって…そういうこと?!」など、違うところで夢中になってしまう場面もありました(笑)。 とはいえ舞妓さんや芸妓さんの日常からお座敷でのプロフェッショナルな仕事ぶり、そして彼女たちを支えている裏方の人々のエピソードまで盛りだくさんで、一般人には敷居の高い祇園の世界を知ることが出来て勉強になりました。