
宮尾 岳(みやお がく、1959年 - )は日本の漫画家、元アニメーター。香川県出身。
香川県立高松工芸高等学校出身。高校在籍時に部活動として同校の漫画同好会(当時)に所属。高校卒業後、1977年に上京し東京デザイナー学院に進学。
1979年、東京デザイナー学院を卒業後アートミックへ所属。同社にてタカトクトイスのロボット玩具『機甲虫隊ビートラス』のキャラクターデザインなどを経てフリーとなり、『魔物ハンター妖子』のキャラクター原案といったイラストレーターとして注目を浴びる。『妖子』で注目される前は『幽幻道士』の塗り絵イラストの原画などを描いていたと語っている。1993年以降は漫画家としての活動が中心になっている。
自転車を軸に物語を展開する代表作『並木橋通りアオバ自転車店』で自転車が大好きだと語り、他作品でもしばしば自転車や自転車に関連するものや名前を登場させている。
ソフトバンクの孫さんが「ChatGPTを使ってない人は人生を悔い改めた方がいい」と発言して物議を醸していますが、AI分野が非常に盛り上がっている昨今。 『並木橋通りアオバ自転車店』の宮尾岳さんが描く、AIを駆使したアンドロイドをテーマにしたオムニバス作品です。 近未来の日本を舞台に、「貸人サービス」というアンドロイドを好きな容姿や人格に設定して一定期間レンタルできるサービスに関わる人々を描いていきます。 第1話の1コマ目が ″だから父さん! 免許返納してくれよ! もう80歳なんだぞ!″ というセリフから始まる辺りは現代的ですね。 家族の代わりとして利用する人もいれば、彼氏が欲しい女性や二次元の推しキャラに似せる少年など、目的やニーズは多種多様。 ヒューマンドラマの名手が描くAIと人間の交流ということで、素朴な温かさが感じられる話が多いです。派手な面白さや非常に斬新な発想や設定があるわけではないですが、それがいい。 個人的には、現在AIと人力を合わせて生み出すサービスに関わっており日々人間にできてAIにできないことやそれをどうシステムに落とし込めるかなどを考えているのですが、そのひとつの例となるお話もあってこのタイミングで読めたことに意義を感じました。ガンプラ的なものを大好きすぎる男性の話なども好きです。 「アンドロイドがいる未来に最も柔軟に付き合えるのは、アトム以来何十年もアンドロイドを見つめてきた日本人ではないでしょうか」 という宮尾さんのあとがきにも首肯します。これくらい精巧なアンドロイドが現実世界で活躍するのはいつくらいになるでしょうね。