『がんばれ元気』、『お〜い!竜馬』、『あずみ』などでお馴染みの、小山ゆうさん最新作。『颯汰の国』を挟んで、『雄飛』と同じ昭和の物語が新たに紡がれています。 本作は1953年の戦後間もない時代が舞台。大衆演劇の花形役を務める主人公の春子が、日本軍の大佐であった父が隠した日本再建のための金塊を巡る争奪戦に巻き込まれていくサスペンスです。 男剣士を凛々しく演じる美しく強い春子は、恩義のある座長のもとで何も知らず暮らしていましたが、ある日を境にその日常が崩れていってしまいます。ただ、戦後という時代もあり、ただやられるばかりではなく暴力に対し時に立ち向かって反撃していく姿もあり痛快です。 鴻鵠の志で金塊を隠した春子の父に対して、本当に存在するのかどうかも解らない「女神」(作中で金塊の隠語と語られる)を巡って、多くの人々が醜悪な争いを起こしていくさまは何とも言えません。 そしてまた、もし金塊が時の総理の下に首尾よく回っていったとしてもそれが正しく使われるかどうかは別の問題として存在するのもまた無常感を覚えさせられます。仮に総理が高潔な志で差配を行おうとしても、さまざまな思惑や柵が絡んだ政界でどこまで理想通りに事を運べるのか。栓なきことと解りながらも、考えてしまいます。 ともあれ、さまざまな勢力が互いに画策し合い息もつかせぬ展開で、誰を信用できて誰が信用できないのかも解らない春子の緊迫感がそのまま伝わってくるようです。 小山ゆうさんももう76歳ですが、筆に翳りは見えません。池上遼一さんも今月で80歳を迎えますが、皆さんお元気でい続けて欲しいです。
初めて読んだ時、『メジャー』のギブソンじゃねーか!と 思いました。 父親と対決したことがきっかけで、 畜生から聖人にクラスチェンジするし。
※ネタバレを含むクチコミです。
小さい頃から皆で育った子どもたち。外界に出るため仲の良い人とペアを組む様指示。突然殺し合いを強要されるところは衝撃的シーンです。物語の始まりにハラハラドキドキして一気に読み進められます。実写版も見てみたい。
100mを10秒切るというのは当時は夢のまた夢でした。 でも最近の日本人は10秒の壁を超えましたよね。 どんどん足が速くなっています。 あと1000年後とかは7秒ぐらいになっているのでしょう。 でもね、いつも思うんだけど足が早いなんて何の役にも立たないよね。 だって自転車の方が早いし、車の方がもっと早いからね。 僕は子供の頃から、この事実に気づいていたから、徒競走とか全く興味なかったのね。
よかった点 ・幕末の感じと小山ゆうの人間臭い描写があっていて好き ・以蔵の最後は何回読んでもいい 総評 ・1から3巻が苦手で読み返す時はいつも4巻以降から読むが傑作だと思う ・「武田鉄矢」が嫌いだから読まないというのは勿体無い
これに掲載されている「ワシとタカ」と「メーンエベント」はマジで何回読んでもいい。 「ワシとタカ」はタカはたった一人で亡き父親の教えを守り男らしい真の男になるため悪を倒す。悪といっても「タカ」が一方的に決めているの悪かどうかも怪しい。それに対抗して「ワシ」が同じようにタカの真似を続けるがこちらは悪かどうかの判別するしていない。ただ「タカ」に対抗したいだけで行動をする。 最終的に「タカ」と「ワシ」は大げんかをし「ワシ」の引越しにより別れることになるがこの二人だけにしか理解できない友情が書かれてむちゃくちゃ好き 「メーンエベント」はボクシングが題材だが「がんばれ元気」みたいな内容ではないし、おまけに主人公のボクシングの試合すらない。今日が引退試合の主人公にフォーカスを当てて控え室で今日がデビューの選手と試合前から過去の話などしながら進む。主人公のボクシングに全てをかけてきて、色々な事情があるなか引退試合をする事になる。ラスト1ページの全くセリフがないが顔だけで心情が理解できる。
『がんばれ元気』、『お〜い!竜馬』、『あずみ』などでお馴染みの、小山ゆうさん最新作。『颯汰の国』を挟んで、『雄飛』と同じ昭和の物語が新たに紡がれています。 本作は1953年の戦後間もない時代が舞台。大衆演劇の花形役を務める主人公の春子が、日本軍の大佐であった父が隠した日本再建のための金塊を巡る争奪戦に巻き込まれていくサスペンスです。 男剣士を凛々しく演じる美しく強い春子は、恩義のある座長のもとで何も知らず暮らしていましたが、ある日を境にその日常が崩れていってしまいます。ただ、戦後という時代もあり、ただやられるばかりではなく暴力に対し時に立ち向かって反撃していく姿もあり痛快です。 鴻鵠の志で金塊を隠した春子の父に対して、本当に存在するのかどうかも解らない「女神」(作中で金塊の隠語と語られる)を巡って、多くの人々が醜悪な争いを起こしていくさまは何とも言えません。 そしてまた、もし金塊が時の総理の下に首尾よく回っていったとしてもそれが正しく使われるかどうかは別の問題として存在するのもまた無常感を覚えさせられます。仮に総理が高潔な志で差配を行おうとしても、さまざまな思惑や柵が絡んだ政界でどこまで理想通りに事を運べるのか。栓なきことと解りながらも、考えてしまいます。 ともあれ、さまざまな勢力が互いに画策し合い息もつかせぬ展開で、誰を信用できて誰が信用できないのかも解らない春子の緊迫感がそのまま伝わってくるようです。 小山ゆうさんももう76歳ですが、筆に翳りは見えません。池上遼一さんも今月で80歳を迎えますが、皆さんお元気でい続けて欲しいです。