華やかな夜会で、公爵令嬢アリーナは思わぬ騒動に巻き込まれる。彼女の婚約者である第一王子クレルが、突然婚約破棄を言い渡してきたのだ。クレルの隣には、第二王子の婚約者であるレベッカの姿があった。二人は「真実の愛」に溺れており、周囲のことが目に入らないほど夢中になっていた。困惑するアリーナに対し、クレルは信じられない提案をする。それは、彼女に第二王子と婚約することを強要するものだった。あまりの屈辱に、アリーナは激しい怒りを覚える。彼女はクレルにハイヒールを投げつける。そのまま、夜会を後にしようとした時、第二王子スレインが彼女を呼び止める。彼は兄の非礼を詫び、アリーナにある提案を持ちかける。「あなたに協力を依頼したい」スレインの言葉には、兄への復讐を匂わせる内容が含まれていた。華やかな宮廷の裏で繰り広げられる、愛と復讐の物語が幕を開ける。
婚約者のニコラスに一方的な婚約破棄を告げられた令嬢・ジュリア。戸惑う彼女は理由を尋ねるが一向に教えてもられず、それどころか知り合いの男性を婚約者候補として次々と紹介されてしまう。賢いレイモンド、真面目なユーリ、優しいウィリアム……そして大親友のフィリップまで。自分の婚約者から男性を紹介されることに嫌気が差し、ベンチで一人涙するジュリアだったが、そこにフィリップが現れる。彼の口から告げられたのは、ニコラスのジュリアへの愛情と、婚約破棄をした真相。それを聞いたジュリアは涙ながらにニコラスの元へ走り出す。※この作品は「婚約破棄されましたが、幸せになってみせますわ!アンソロジーコミック」収録作品と同一の内容を分冊版として再編集したものです。