高校一年生の二学期。夏休み明け。周囲になじめず、結果同級生からナメられてしまった岡部は押し付けられた掃除当番で同級生の佐藤と出会う。佐藤はちょっと変わっているけれど、他のクラスメイトたちとは違った。そして何より、夏休み中に失踪した飼い猫・マルにすこし似ていた。徐々に打ち解けていくふたり。そんなある日、学校の近くで「猫が死んでいた」という目撃情報が入る。
「試しに小説と同じこと、してみればいいんじゃねぇの?」 共通の趣味である「小説」をきっかけに仲良くなった、中学生の積川萩人と枝折景。枝折が書いて、積川が読む――そんな心地の良い関係は、中学卒業を目前にして、簡単に壊れてしまった。絶交して数年、偶然にも大学で再会した二人。気まずい空気の中、積川は枝折から書きかけの原稿を無理やり手渡され、昔のような関係に戻りたいと懇願される。しぶしぶ原稿を受け取る積川だったが、枝折が書いていたのは同性同士の、どこかリアリティのない恋愛小説で――。《収録内容》 ◆『書き損ないのつくりごと』1~5話 ◆描き下ろし10p ◆電子限定描き下ろし漫画
共通の趣味である「小説」をきっかけに親友となった、中学生の積川と枝折。枝折が書いて、積川が読む――そんな二人の関係は、積川の自分勝手な感情で、終わりを迎えた。――数年後、大学生となった二人は偶然の再会を果たす。未だに複雑な気持ちを抱え続ける積川に対し、何事もなかったかのように振る舞う枝折。半ば無理矢理、あの頃と同じ関係に戻った二人だったが…。枝折が書いていたのは、同性同士の恋愛を題材にした作品だった。しかし、その内容はどこかリアリティが感じられない。かつての記憶を辿り、“恋愛を追体験すること”で小説が良くなると考えた積川は、勢い余って「自分が相手役をする」と提案してしまい――。