幼なじみで上司でもある社長の橘川一颯のことが昔から苦手だった史也。子供時代にされた悪戯は今でもトラウマで、やたら構ってくる一颯に頑な態度を貫き、穏やかな一颯の兄・千慧に憧れていた。そんなある日、一颯が事故で記憶を失ってしまう。一颯の頼みで彼の恋人探しを始めるが、手がかりは少なく難航。だが記憶のない一颯は以前とは桁違いに話しやすく、恋に臆病な史也の心を優しく解きほぐしてくれて……? 俺様社長と純情秘書の年下攻ロマンス。
青色の右目と黄金色の左目を持つテオは、王への献上品にされかけたところを突如現れた赤獅子にさらわれてしまう。獅子の正体はシャタール王国第六王子カイル。彼は素行の悪さから王の命で呪いをかけられ、人型を長く保てなくなっていた。右目で現実を、左目で未来を見ることのできる「天の子」と契りを結べば呪いが解けるらしく、カイルはテオこそが「天の子」だと言って迫ってきて……!? 王子と村人の幻想恋愛譚。
季節の花と温泉が売りの花古町――通称・花降る町に建つ、老舗温泉旅館みやのとリゾートヴィラ・MISAKI。犬猿の仲だった両家がこのたび和解することになった。家族に内緒で密かに親友同士だった昴流と瑛人だが、和解のしるしに浮上したお互いの姉妹との結婚話には昴流が猛反発。回避するため瑛人が考えたのがふたりで熱々の新婚カップルを演じることで……? 花咲く温泉街が舞台の、幼馴染み同士のこじらせ愛。
義理の兄から逃れるため地元を出て四年、ひっそりと暮らしていた真那也のもとに、ある日兄の友人だった久世が訪ねてくる。リゾート開発会社の専務となった彼から以前の好青年の面影は消えていた。そして兄の土地を奪うため、真那也の協力が必要だと悪びれもせずに言うのだった。半ば強引に承諾させられるが、過去の記憶から兄と会うことができない。そんな真那也に久世が「俺が忘れさせてやろうか」と告げ……!?
新米コックの郁生は、店の常連客・刀瀬に気に入られて戸惑っていた。なぜなら刀瀬がどう見てもカタギではないから。ところが母親の作った借金で半グレ者に攫われそうになったところを刀瀬に助けられ、肩代わりしてもらった800万の返済のため彼の家で住み込みで働くことになる。愛人業!?と怯える郁生だが、屋敷には刀瀬を「パパ」と呼ぶ四歳の可愛らしい男の子がいて……!? やくざと台所番の年の差溺愛ラブ!!
自分にも他人にも厳しく“鬼の緒方”の異名を取るプランナーの緒方は同期の代打でワインのプロデュースに携わることになる。チームには密かに気に入っていた後輩の仁科がいた。酒癖の悪い緒方は人前で酒が飲めない。勇気を出して仁科を試飲に誘うが、緒方は酒が入ると開放的になり、欲望のままに好みの男に甘えるタイプだった。その間の記憶は一切ない。一方の仁科は、憧れの上司の壮絶に色っぽい姿に心を奪われ!?