五姉妹の末っ子であるロゼッタは、先祖から代々受け継がれてきた「聖女アリアナによる祈りの力」で天候を操り、国に恵みをもたらしていた。城内で姉たちから無視され続けても、国王である父の期待に応えるため、聖女として日々祈りだけを捧げ続けるロゼッタ。持ち前の前向きな性格と、愛を誓い合ったイアンと婚約目前だったので、自由がなくとも幸せを感じていた。ある日、城で見かけたイアンに声をかけようとするロゼッタだったが、彼の口から「贄妃」という言葉を聞いてしまう。意味が分からず、音を立てて取り乱してしまったその時、謎の青年・ノアに窮地を救われ…。
「変人」と名高い残念イケメンな教授が、最近妙に近くに感じる――。植物学で功績が認められ、若くして教授になった新(あらた)。その研究支援として専属事務員となった麻琴(まこと)は、周囲からの期待と仕事へのやりがいに情熱を燃やしていた。一方で、ちょっとした悩みを抱えていた。それは新に、名前すら覚えてもらえないこと…。それでもめげずに、一生懸命取り組んでいた麻琴に対し、新の態度に少しずつ変化があらわれていく。
幼い頃に両親を事故で失くし、叔父夫婦に引き取られ使用人のような扱いを受けて育ったエマ。それでも前向きに生きてきたエマはある日、叔父に呼び出された先でウィリアム・アッカーソン公爵と出会う。見惚れるほど美しい公爵から告げられたのは自分がアッカ―ソン家に嫁ぎ、彼の妻になるということ。突然の結婚話に戸惑うが叔父に逆らうことはできず、これも運命だと受け入れ公爵家に向かうエマだったが――。
幼い頃に事故で両親を亡くし、叔父家族に引き取られたエマはある日、アッカーソン公爵家に嫁ぐこととなる。夫となるウィリアム・アッカーソン公爵は、薄いライラックグレーの瞳と光銀髪の美しい男性だが、戦争の怪我が原因で隻眼で杖をついていた。突然の結婚話に戸惑うエマ。しかしこれも運命と受け入れ、嫁入りのため公爵家を訪れると、屋敷はまるでお城のようで多数の使用人が従事する別世界だった。夢のような時間を過ごすエマだが、何故か公爵は姿を現わさない。不安になり、公爵と話をしようとするが…?※この作品は『蜜恋ティアラ獣 Vol.51』に収録されています。重複購入にご注意ください。