人の記憶をエサにする“紙魚”が現れるようになって早数十年。辛い記憶を紙魚に食べさせることで人々は不安を取り除き、紙魚のもたらす救いに順応していた。これは、記憶を捨てた世界に抗い続ける“ビブリオテーカ”の闘いの記録である。