無防備すぎる貴族令嬢と俺様宝石商のキワドイ道連れ旅。■誘拐された貴族令嬢フーシエは、見知らぬ異国の裏市場で奴隷競売にかけられる。「一万!」「三万!」「三万五千!」……男たちのギラついた視線にさらされながら、鎖につながれたフーシエは、瞳に涙をため身を縮みこませることしかできない。あっという間に六十五万まで値が上がり、もう家族のもとには二度と戻れない、誰ともわからぬ男の屋敷に押し込められ陵辱の限りを尽くされるのだと戦慄したフーシエを、「八十万!」の破格値で競り落としたのは、旅の宝石商を名乗るリオという若い男だった。だが、大金をはたいてフーシエの身柄を購いながら、リオは彼女を解放する。可憐で儚げなフーシエの姿に、リオは気まぐれの義侠心を起こしたのだった。晴れて自由の身となったフーシエだったが、とはいえ世間知らずの令嬢が自力で遠い故郷に帰れるはずもなく、再びリオの情けにすがるほかない……攫われ、売られ、また襲われて、いつしか愛の疼きを覚えるフーシエと、どこか謎を秘めたリオの道連れ旅が始まった。
政略結婚が決まっているのに、違う男に惹かれて――■政略結婚を迫られたわたしは、初恋の想い出となる指輪を胸に、気持ちの整理をつけようと街へと飛びだした。そこでシュンという青年と出会い、たちまちわたしたちは惹かれあう。結婚の相手との婚約発表が控えている中で、時間を作っては逢瀬を重ねていくわたしたち。頭では政略結婚を理解し受けいれているのに、わたしの心は、初恋の想い出やシュンへの想いで激しく揺れ動く。そして、わたしの選んだ未来は――甘くて苦いピュアなラブストーリー。
仮面画家の妖しい筆遣いに、貞淑な理性を脱がされた私……■あなた以外の男の人に、体を許してごめんなさい――。大資産家の跡取りロベルトに見初められ、メイドのサリーは身分違いの求婚を受け入れた。だが、使用人の家庭に生まれ育ち、万事に控えめなサリーは、夫たるロベルトになかなか打ち解けられず、容易に身体も開けない。ロベルトもお堅いばかりのサリーの態度にすっかり焦れ気味。そんな矢先、サリーの前に妖しい仮面を着けた男ジンが現れる。ジンは世間も認める天才画家。ロベルトの依頼でサリーを描きにやってきたのだ。「モデルを務める間は、俺の言うことに絶対服従だ。ロベルトも承知している」とふてぶてしく言い放ち、夫を愛するための練習と称して、サリーの柔肌に触れるジン。要求はエスカレートし、ついには絵筆を身体に這わされて……!?夫のいぬ間に行われる、危険な男との秘密のレッスン!!
ダメっ、私はこれから嫁ぐ身よ……別の殿方に抱かれるなんて!?◆見たこともない透き通る金色の髪、海のように輝く青い瞳。長らく鎖国してきた王デミオは、初めて見る異国の姫アリシアの美しさに、一目で虜となった。「そなたが欲しい。可愛くてしかたがないのだ」許嫁の国へ嫁ぐ途中だったという、彼女の船を追い帰し、城へ監禁、まだ男を知らない甘い唇を、あますことなく奪いつくした。身体の中心から広がってくる熱と、蕩けるようなめまい。ドレスのすそを割って腿にあてられた大きな手を、秘められた花芯を求めて、柔らかく這い上がらせる。だが、許嫁を想い、最後の一線は超えさせない彼女に、デミオは我慢を強いられる。そんななか、許嫁から『婚約を破棄する』との報せが届き、アリシアは塞ぎ込んでしまい!?