【単行本未収録の短編をセットした特別版!】親友の貴之と関係して二ヶ月。どんなに濃密な夜を過ごしても、知也は素直になれなかった。ベタベタせず、常にそっけなく。それは、高校時代から貴之を見続けてきた知也だけが知っている、嫌われない為のルール。身体を繋げたことで貴之は和也に親友以上の感情を持ち、ずっと好きだった彼に抱かれた知也は自分に臆病になっていた。貴之の激しい執着を嬉しいと思う反面、己の醜い独占欲を知られることを恐れた知也は別離を決意するが!?
「優しくしたら、絆されてくれるのか?」恋人の前で陵辱され、純潔を失った孝也は、夢も希望もなく、NYで高級男娼として生きていた。だがある夜、指名されたホテルの一室で、思いがけない男と再会する。その男・砂漠王シャラフは、かつて無垢だった自分を辱めた憎き相手。拒むこともできず、力ずくで攫われた砂漠の国で奴隷として扱われる孝也。再びあの男に身体を赦すなんて――人格すら踏みにじられ、生きることすら諦めた時、シャラフからかけられた意外な言葉に、孝也は揺れてしまい……?
十歳になった日、広瀬家跡取り・秋信の愛人として囲われた深。鎖に繋がれ監禁陵辱される日々に少しずつ壊れてゆく深を支えていたのは、秋信の弟・隆信との優しい思い出だけだった。だが十六年後、隆信は逞しく成長して現れた――肉欲に溺れ母を死に追いやった兄と、深に復讐する為に。彼は兄から深を奪い、夜ごと憎しみをぶつけるように蹂躙した。身体は手酷く抱かれながらも、深の心は少年だった頃の隆信の記憶に縋ってしまい……。
黒髪と碧い瞳を持つジュムナ国貴族のサディアは、国が戦に敗れ死を覚悟していたところを、敵国の軍人・レゼジードに助けられる。血の病に冒されていたせいで、家族にも見捨てられ孤独な日々を送っていたサディアにとって、レゼジードが与えてくれる優しさは、初めて知る喜びだった。そして次第にレゼジードに惹かれていくサディアは、たとえその想いを告げられる日が来ないとしても彼のためにすべてを捧げようと心に誓い――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
天使のような無垢な心と、儚げな容姿の持ち主であるノエルは身寄りがなく幼い頃から修道院に預けられて育った。そんなある日、ノエルの前にランバートと名乗る伯爵が現れる。そこで聞かされたのは、実はノエルが貴族の子息だという事実だった。母の知人であるランバートに引き取られることになったノエルはその恩に応えたいと、貴族として彼にふさわしくなろうと努力する日々をおくる。そしていつしかノエルは、優しく導いてくれるランバートに淡い恋心を抱き、どこか孤独を抱えている彼に自分のすべてを捧げたいと思うようになっていくが…。限定配布された書き下ろしSSのおまけ付き!! 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
裕福な家柄に生まれ、華やかな美貌の持ち主である高瀬川家の三男・和久は、誰とでも遊びで寝る、奔放な生活を送っていた。そんなある日、和久はパーティーの席で兄の友人・下條義行に出会う。初対面にもかかわらず、不躾な言葉で自分を馬鹿にしてきた義行に腹を立て、仕返しのため彼を誘惑して手酷く捨ててやろうと企てた和久。だがその計画は義行に見抜かれ、逆に淫らな仕置きをされることになってしまう。抗いながらも、次第に快感を覚えはじめた自分に戸惑う和久は…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
弁護士の慎也は交通事故が原因で失明し、弟の直樹に世話をされていた。そんなある日慎也は自慰をしている姿を直樹に見られてしまう。それ以来直樹は「世話」と称し、淫らな行為をしかけてくるようになった。羞恥と屈辱を覚えつつも、身体は反応してしまう慎也。次第に直樹から向けられる想いが、兄弟以上の感情であることに気づきはじめた慎也は弟の執着から逃れようとするが、直樹はそれを許さず――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
精悍な容貌の久保田貴俊は、バーで飲んでいた夜、どこか淫らな色気をまとった上原慎哉に声をかけられ、誘われるままに寝てしまう。二人の関係はあくまで『遊び』のはずだったが、次第に上原の身体にのめり込んでいく貴俊。しかしある日、貴俊は上原の身体をいいように弄んでいる男の存在を知る。自分には見せたことのない表情で、男に命じられるまま自慰をする上原に言いようのない苛立ちを感じる貴俊だが、彼がある罪の償いのために、その男に身体を差し出していると知り…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
仲間と一緒に複数人でのセックスを楽しんできた遊び人の桐嶋は、柄にもなく平凡な書店員・修を好きになる。告白すらできずに戸惑っていたが、ある日悪友の久坂と槇口からホテルに来いと連絡を受けると、そこには二人の手で快楽に蕩かされた修の姿があった…。二人は、修に手を出せずにいた桐嶋を面白がり、修をさらって無理矢理淫らな行為を仕掛けていたのだ。そして、いつものように四人での行為に誘われた桐嶋は…。禁断の夜が、今始まる―― 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
会社員の佳広はある日、恋人の智明が男とホテルに入るのを目撃してしまう。その男は智明の兄・眞司の恋人である直紀だった。ショックを受けた佳広は、同じ思いを抱える眞司に共感を覚え一夜を共にするが、それは仕組まれた罠だった…。兄弟は自分の恋人を互いに抱かせ快楽を共有することを望んでいたのだ。恋人に見られながら別の男に嬲られるという歪んだ愛の形に戸惑いながらも、昏い欲望に抗えない佳広は…。四人の背徳の夜が今始まる――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
戦国時代――慎ましく暮らしていた僧侶の雪渓のもとに、国主の中井から仏典の講義依頼が舞い込んできた。父親を殺害し領主の座に収まった中井に対し、警戒心を抱えていた雪渓だったが、噂ほど酷い領主ではない中井に安心する。しかし、気を許したのも束の間“講義”と称し、強引に犯されてしまう。男であり俗世を離れた僧侶であるにも関わらず、雪渓を閉じこめ欲望をぶつけてくる中井。拒絶する心とは違い、中井の手管に快楽を感じはじめた雪渓は……。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
戦乱の末、国主の弟である政尚は、敵国の国主・康治に囚われた。脆弱な己を不甲斐なく思う政尚は、幼い頃親しかった康治の慈悲に縋って侍り、敵情を探ろうとしたのだ。俘囚となることを覚悟していた政尚を、康治は恋う姫へするかのように優しく遇する。ならばと肌を許すが、身体を繋げて真の想いを知る度に、心までも繋がれるようで切なさが募っていく。だが、敵将である康治を求めるのは国への裏切り。苦悩しつつも、責務を果たそうとする政尚だったが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
幼い頃から閉じこもりがちだった伸之。大きな蔵元の次男ゆえか、病弱さゆえか、大人達に過保護にされてきた彼に広い世界を見せてくれたのは、蔵人の澤木だった。まだ二十一歳の乱暴な若者は、纏わりつく伸之を邪険にせず構ってくれた。それから八年。兄を慕うようだった澤木への想いは、いつしか甘い恋情へと変わっていた。一生に一度の恋。好きなのは澤木だけ。けれど赦されない想いは叶うことなく、伸之は澤木から引き離されて……。